「$\sqrt{a^2}$ と $(\sqrt{a})^2$ って、どっちも $a$ になるんでしょ?」——そう思っていると、テストで痛い目に遭う。
実は、この2つの式は似ているようでまったく違う。特に $\sqrt{a^2}$ の方は、負の数が絡んだ瞬間に答えが変わってしまう。ここを曖昧にしたまま進むと、計算ミスが増え続けることになる。
原因はシンプルだ。「2乗して元に戻す」という操作の本当の意味を理解していないだけである。この記事では、$\sqrt{a^2}$ と $(\sqrt{a})^2$ の違いを、図解とアニメーションで徹底的に解説する。読み終える頃には、迷わず正しい答えが出せるようになる。
そもそも平方根とは?
まず、平方根の定義を確認しよう。
平方根の定義:2乗して $a$ になる数を、$a$ の平方根という。つまり、$x^2 = a$ を満たす $x$ のことである。
例えば、$9$ の平方根は $3$ と $-3$ である。なぜなら、$3^2 = 9$ かつ $(-3)^2 = 9$ だからだ。
ここで重要なポイントがある。
根号 $\sqrt{\ }$ の約束:$\sqrt{a}$ は「$a$ の平方根のうち、正の方だけ」を表す。$a \geq 0$ のとき、$\sqrt{a} \geq 0$ である。
つまり、$\sqrt{9} = 3$ であり、$\sqrt{9} = \pm 3$ ではない。根号は「正の平方根だけを取り出す記号」なのである。
$\sqrt{a^2}$ と $(\sqrt{a})^2$ の違いを図で理解する
この2つの式は、見た目は似ているが計算のルートがまったく違う。順番に見ていこう。
$(\sqrt{a})^2 = a$ の仕組み
こちらは比較的シンプルである。
具体例で確認しよう。
ポイント:$(\sqrt{a})^2 = a$ が成り立つのは、$a \geq 0$ のときだけである。$a < 0$ のときは、そもそも $\sqrt{a}$ が定義できない。
$\sqrt{a^2} = |a|$ の仕組み
こちらが要注意である。結論から言うと、
となる。$a$ ではなく、$a$ の絶対値になるのだ。
絶対値とは:数直線上で原点からの距離を表す。記号は $|\ |$ で、$|3| = 3$、$|-3| = 3$ のように、常に $0$ 以上の値になる。
なぜ絶対値になるのか?具体例で確認しよう。
$a = -3$ のとき、答えは $-3$ ではなく $3$ になる。これは、$\sqrt{\ }$ が「正の平方根だけを返す」という約束があるからだ。
このアニメーションが示すように、$\sqrt{a^2}$ では「まず2乗」→「次に正の平方根」という順番で計算する。途中で負の符号が消えてしまうため、結果は常に $0$ 以上になる。だから絶対値 $|a|$ になるのである。
2つの公式を整理する
ここまでの内容を公式としてまとめよう。
| 公式 | 条件 | 意味 |
|---|---|---|
| $(\sqrt{a})^2 = a$ | $a \geq 0$ | 平方根を取ってから2乗すると元に戻る |
| $\sqrt{a^2} = |a|$ | すべての実数 $a$ | 2乗してから平方根を取ると絶対値になる |
覚え方:「$\sqrt{\ }$ が外にあるか内にあるか」で結果が変わる。$\sqrt{\ }$ が外(後から作用)なら絶対値、$\sqrt{\ }$ が内(先に作用)ならそのまま。
数直線で視覚的に理解する
$\sqrt{a^2} = |a|$ が絶対値になる理由を、数直線で確認しよう。
ボタンを押して $a$ の値を変えてみよう。$a$ が正でも負でも、$\sqrt{a^2}$ の結果は常に「原点からの距離」、つまり絶対値になることがわかる。
具体的な場合分け
$\sqrt{a^2} = |a|$ を、$a$ の値によって場合分けすると次のようになる。
注意:「$a < 0$ のとき $-a$」というのは「マイナスをつける」という意味ではない。$a$ がすでに負の数なので、$-a$ は正の数になる。例えば $a = -3$ なら $-a = -(-3) = 3$ である。
例題
実際に計算してみよう。
例題1:$\sqrt{5^2}$ を計算せよ。
$5 > 0$ なので、$|5| = 5$ となり、答えは $5$ である。
例題2:$\sqrt{(-7)^2}$ を計算せよ。
$-7 < 0$ なので、$|-7| = 7$ となり、答えは $7$ である。$-7$ ではないことに注意。
例題3:$(\sqrt{12})^2$ を計算せよ。
$(\sqrt{a})^2 = a$ の公式をそのまま使えばよい。$\sqrt{12}$ を具体的に計算する必要はない。
よくある間違いと対策
対策:$\sqrt{\ }$ は必ず $0$ 以上の値を返す。負の答えは絶対にない。
対策:正しくは $\sqrt{a^2} = |a|$ である。$a$ が負のときに間違える。
対策:前者は $a \geq 0$ が必要で結果は $a$、後者は全ての $a$ で使えて結果は $|a|$。
この単元のよくある質問
Q. なぜ $\sqrt{9}$ は $3$ だけで、$\pm 3$ ではないのですか?
A. 根号 $\sqrt{\ }$ は「正の平方根だけを表す記号」と決められているからです。$9$ の平方根は確かに $3$ と $-3$ の2つありますが、$\sqrt{9}$ と書いたときは正の方、つまり $3$ だけを指します。両方を表したいときは $\pm\sqrt{9}$ と書きます。
Q. $\sqrt{a^2} = |a|$ の $|a|$ は、なぜ絶対値になるのですか?
A. $\sqrt{\ }$ が「正の値だけを返す」という性質を持っているからです。例えば $a = -3$ のとき、$(-3)^2 = 9$ となり、$\sqrt{9} = 3$ です。この $3$ は $|-3|$ と同じ値です。2乗すると負の符号が消え、平方根を取っても正のままなので、結果は常に絶対値になります。
Q. $(\sqrt{a})^2 = a$ は、$a$ が負のときも使えますか?
A. 使えません。$a < 0$ のとき、$\sqrt{a}$ 自体が実数の範囲では定義できないからです。例えば $\sqrt{-4}$ は実数として存在しません。したがって $(\sqrt{a})^2 = a$ は $a \geq 0$ のときだけ成り立つ公式です。
練習問題
(1)$\sqrt{4^2}$ (2)$\sqrt{(-6)^2}$ (3)$(\sqrt{7})^2$
(1)$\sqrt{(-9)^2}$ (2)$(\sqrt{15})^2$ (3)$\sqrt{0.5^2}$
まとめ
この記事では、$\sqrt{a^2}$ と $(\sqrt{a})^2$ の違いについて学んだ。ポイントは以下の通りである。
- $(\sqrt{a})^2 = a$:$a \geq 0$ のときに成り立つ。平方根を取ってから2乗すると元に戻る。
- $\sqrt{a^2} = |a|$:すべての実数 $a$ で成り立つ。2乗してから平方根を取ると絶対値になる。
- $\sqrt{\ }$ は「正の平方根だけを返す記号」なので、答えは必ず $0$ 以上になる。
- $a$ が負のときは特に注意。$\sqrt{(-3)^2} = 3$ であり、$-3$ ではない。
Core-dorill— 基礎を、何度でも。

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