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【平方根】√a²=aと(√a)²=a の性質【alg-sqrt-004】【必須】

「$\sqrt{a^2}$ と $(\sqrt{a})^2$ って、どっちも $a$ になるんでしょ?」——そう思っていると、テストで痛い目に遭う。

実は、この2つの式は似ているようでまったく違う。特に $\sqrt{a^2}$ の方は、の数が絡んだ瞬間に答えが変わってしまう。ここを曖昧にしたまま進むと、計算ミスが増え続けることになる。

原因はシンプルだ。「2乗して元に戻す」という操作の本当の意味を理解していないだけである。この記事では、$\sqrt{a^2}$ と $(\sqrt{a})^2$ の違いを、図解とアニメーションで徹底的に解説する。読み終える頃には、迷わず正しい答えが出せるようになる。

対象:中学3年 所要時間:約8分
目次

そもそも平方根へいほうこんとは?

まず、平方根へいほうこんの定義を確認しよう。

平方根の定義:2乗して $a$ になる数を、$a$ の平方根という。つまり、$x^2 = a$ を満たす $x$ のことである。

例えば、$9$ の平方根は $3$ と $-3$ である。なぜなら、$3^2 = 9$ かつ $(-3)^2 = 9$ だからだ。

ここで重要なポイントがある。

根号こんごう $\sqrt{\ }$ の約束:$\sqrt{a}$ は「$a$ の平方根のうち、正の方だけ」を表す。$a \geq 0$ のとき、$\sqrt{a} \geq 0$ である。

つまり、$\sqrt{9} = 3$ であり、$\sqrt{9} = \pm 3$ ではない。根号は「正の平方根だけを取り出す記号」なのである。

$\sqrt{a^2}$ と $(\sqrt{a})^2$ の違いを図で理解する

この2つの式は、見た目は似ているが計算のルートがまったく違う。順番に見ていこう。

$(\sqrt{a})^2 = a$ の仕組み

こちらは比較的シンプルである。

1まず $\sqrt{a}$ を計算する($a \geq 0$ が必要)
2その結果を2乗する
3「平方根を取ってから2乗」なので、元の $a$ に戻る

具体例で確認しよう。

$$(\sqrt{9})^2 = 3^2 = 9$$
$$(\sqrt{5})^2 = (\sqrt{5}) \times (\sqrt{5}) = 5$$

ポイント:$(\sqrt{a})^2 = a$ が成り立つのは、$a \geq 0$ のときだけである。$a < 0$ のときは、そもそも $\sqrt{a}$ が定義できない。

$\sqrt{a^2} = |a|$ の仕組み

こちらが要注意である。結論から言うと、

$$\sqrt{a^2} = |a|$$

となる。$a$ ではなく、$a$ の絶対値ぜったいちになるのだ。

絶対値とは:数直線上で原点からの距離を表す。記号は $|\ |$ で、$|3| = 3$、$|-3| = 3$ のように、常に $0$ 以上の値になる。

なぜ絶対値になるのか?具体例で確認しよう。

1$a = 3$ のとき:$\sqrt{3^2} = \sqrt{9} = 3 = |3|$ ✓
2$a = -3$ のとき:$\sqrt{(-3)^2} = \sqrt{9} = 3 = |-3|$ ✓

$a = -3$ のとき、答えは $-3$ ではなく $3$ になる。これは、$\sqrt{\ }$ が「正の平方根だけを返す」という約束があるからだ。

このアニメーションが示すように、$\sqrt{a^2}$ では「まず2乗」→「次に正の平方根」という順番で計算する。途中で負の符号が消えてしまうため、結果は常に $0$ 以上になる。だから絶対値 $|a|$ になるのである。

2つの公式こうしきを整理する

ここまでの内容を公式としてまとめよう。

公式 条件 意味
$(\sqrt{a})^2 = a$ $a \geq 0$ 平方根を取ってから2乗すると元に戻る
$\sqrt{a^2} = |a|$ すべての実数 $a$ 2乗してから平方根を取ると絶対値になる

覚え方:「$\sqrt{\ }$ が外にあるか内にあるか」で結果が変わる。$\sqrt{\ }$ が外(後から作用)なら絶対値、$\sqrt{\ }$ が内(先に作用)ならそのまま。

数直線で視覚的に理解する

$\sqrt{a^2} = |a|$ が絶対値になる理由を、数直線で確認しよう。

$a$ の値:

ボタンを押して $a$ の値を変えてみよう。$a$ が正でも負でも、$\sqrt{a^2}$ の結果は常に「原点からの距離」、つまり絶対値になることがわかる。

具体的な場合分け

$\sqrt{a^2} = |a|$ を、$a$ の値によって場合分けすると次のようになる。

1$a \geq 0$ のとき:$\sqrt{a^2} = |a| = a$(そのまま)
2$a < 0$ のとき:$\sqrt{a^2} = |a| = -a$(符号を反転)

注意:「$a < 0$ のとき $-a$」というのは「マイナスをつける」という意味ではない。$a$ がすでに負の数なので、$-a$ は正の数になる。例えば $a = -3$ なら $-a = -(-3) = 3$ である。

例題

実際に計算してみよう。

例題1:$\sqrt{5^2}$ を計算せよ。

$$\begin{aligned} \sqrt{5^2} &= \sqrt{25} \\[8pt] &= 5 \\[8pt] &= |5| \quad \text{(確認)} \end{aligned}$$

$5 > 0$ なので、$|5| = 5$ となり、答えは $5$ である。

例題2:$\sqrt{(-7)^2}$ を計算せよ。

$$\begin{aligned} \sqrt{(-7)^2} &= \sqrt{49} \\[8pt] &= 7 \\[8pt] &= |-7| \quad \text{(確認)} \end{aligned}$$

$-7 < 0$ なので、$|-7| = 7$ となり、答えは $7$ である。$-7$ ではないことに注意。

例題3:$(\sqrt{12})^2$ を計算せよ。

$$\begin{aligned} (\sqrt{12})^2 &= 12 \end{aligned}$$

$(\sqrt{a})^2 = a$ の公式をそのまま使えばよい。$\sqrt{12}$ を具体的に計算する必要はない。

よくある間違いと対策

1間違い:$\sqrt{(-3)^2} = -3$ と答える
対策:$\sqrt{\ }$ は必ず $0$ 以上の値を返す。負の答えは絶対にない。
2間違い:$\sqrt{a^2} = a$ と覚える
対策:正しくは $\sqrt{a^2} = |a|$ である。$a$ が負のときに間違える。
3間違い:$(\sqrt{a})^2$ と $\sqrt{a^2}$ を同じだと思う
対策:前者は $a \geq 0$ が必要で結果は $a$、後者は全ての $a$ で使えて結果は $|a|$。

この単元のよくある質問

Q. なぜ $\sqrt{9}$ は $3$ だけで、$\pm 3$ ではないのですか?

A. 根号 $\sqrt{\ }$ は「正の平方根だけを表す記号」と決められているからです。$9$ の平方根は確かに $3$ と $-3$ の2つありますが、$\sqrt{9}$ と書いたときは正の方、つまり $3$ だけを指します。両方を表したいときは $\pm\sqrt{9}$ と書きます。

Q. $\sqrt{a^2} = |a|$ の $|a|$ は、なぜ絶対値になるのですか?

A. $\sqrt{\ }$ が「正の値だけを返す」という性質を持っているからです。例えば $a = -3$ のとき、$(-3)^2 = 9$ となり、$\sqrt{9} = 3$ です。この $3$ は $|-3|$ と同じ値です。2乗すると負の符号が消え、平方根を取っても正のままなので、結果は常に絶対値になります。

Q. $(\sqrt{a})^2 = a$ は、$a$ が負のときも使えますか?

A. 使えません。$a < 0$ のとき、$\sqrt{a}$ 自体が実数の範囲では定義できないからです。例えば $\sqrt{-4}$ は実数として存在しません。したがって $(\sqrt{a})^2 = a$ は $a \geq 0$ のときだけ成り立つ公式です。

練習問題

問1. 次の値を求めよ。
(1)$\sqrt{4^2}$ (2)$\sqrt{(-6)^2}$ (3)$(\sqrt{7})^2$
問2. 次の値を求めよ。
(1)$\sqrt{(-9)^2}$ (2)$(\sqrt{15})^2$ (3)$\sqrt{0.5^2}$
問3. $a = -5$ のとき、$\sqrt{a^2}$ の値を求めよ。

まとめ

この記事では、$\sqrt{a^2}$ と $(\sqrt{a})^2$ の違いについて学んだ。ポイントは以下の通りである。

  • $(\sqrt{a})^2 = a$:$a \geq 0$ のときに成り立つ。平方根を取ってから2乗すると元に戻る。
  • $\sqrt{a^2} = |a|$:すべての実数 $a$ で成り立つ。2乗してから平方根を取ると絶対値になる。
  • $\sqrt{\ }$ は「正の平方根だけを返す記号」なので、答えは必ず $0$ 以上になる。
  • $a$ が負のときは特に注意。$\sqrt{(-3)^2} = 3$ であり、$-3$ ではない。

Core-dorill— 基礎を、何度でも。

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