「有理数と無理数の違いって何?」と聞かれて、自信を持って答えられるだろうか。
この2つの区別があいまいなままだと、平方根の計算や高校数学で必ずつまずく。「分数で表せるかどうか」という一言で片付けられがちだが、実はもう少し深い話がある。
この記事では、有理数と無理数の定義を具体例とともに整理し、「この数はどっち?」と即答できる状態を目指す。
そもそも有理数・無理数とは?
まず、数の世界を整理しよう。中学で扱う数は大きく分けて次のように分類される。
有理数とは
有理数とは、2つの整数の比(分数)で表せる数のことである。
整数とは、…, -3, -2, -1, 0, 1, 2, 3, … のように、小数部分を持たない数のことである。
具体例を見てみよう。
| 数 | 分数で表すと | 有理数か |
|---|---|---|
| $3$ | $\dfrac{3}{1}$ | ✓ 有理数 |
| $-5$ | $\dfrac{-5}{1}$ | ✓ 有理数 |
| $0.5$ | $\dfrac{1}{2}$ | ✓ 有理数 |
| $0.333…$ | $\dfrac{1}{3}$ | ✓ 有理数 |
| $-1.25$ | $\dfrac{-5}{4}$ | ✓ 有理数 |
$0.333…$ のように同じ数字が無限に続く小数を循環小数という。循環小数も分数で表せるため、有理数である。
無理数とは
無理数とは、どう頑張っても分数で表せない数のことである。
代表的な無理数を挙げよう。
| 数 | 小数で表すと | 特徴 |
|---|---|---|
| $\sqrt{2}$ | $1.41421356…$ | 規則性なく無限に続く |
| $\sqrt{3}$ | $1.73205080…$ | 規則性なく無限に続く |
| $\pi$(円周率) | $3.14159265…$ | 規則性なく無限に続く |
無理数は小数で表すと、循環せずに無限に続く。これを非循環無限小数という。
有理数と無理数の違いを図で理解する
数の分類を視覚的に確認しよう。下のボタンを押すと、各カテゴリの数が強調表示される。
この図から次のことがわかる。
- 実数は有理数と無理数に分けられる
- 整数は有理数の一部である(例:$3 = \dfrac{3}{1}$)
- 有理数と無理数は重ならない(どちらか一方に属する)
有理数か無理数かを判定する方法
ある数が有理数か無理数かを判定するには、次の手順で考える。
整数なら有理数である。
$\dfrac{整数}{整数}$ の形で表せれば有理数である。
$\sqrt{4} = 2$, $\sqrt{9} = 3$ のように整数になれば有理数。
$\sqrt{2}$, $\sqrt{3}$ のように外せなければ無理数。
根号が外せる数・外せない数
平方根で特に注意が必要なのは、根号(√)が外せるかどうかである。
平方数とは、1, 4, 9, 16, 25, 36, … のように、ある整数を2乗した数のことである。平方数の平方根は整数になる。
例題:有理数か無理数か判定しよう
次の数が有理数か無理数か判定してみよう。
例題1:$\sqrt{36}$ は有理数か無理数か
$36 = 6^2$ なので、$36$ は平方数である。
例題2:$\sqrt{10}$ は有理数か無理数か
$1^2 = 1$, $2^2 = 4$, $3^2 = 9$, $4^2 = 16$
$10$ はどの整数の2乗にもならない。
例題3:$0.75$ は有理数か無理数か
よって、有理数である。
よくある質問と答え(FAQ)
Q. 循環小数は有理数ですか、無理数ですか?
A. 循環小数は有理数である。例えば $0.333… = \dfrac{1}{3}$ のように、循環小数は必ず分数で表すことができる。「無限に続く」ことと「無理数」は別の話である。
Q. $\sqrt{4}$ は無理数ではないのですか?
A. $\sqrt{4} = 2$ と整数になるため、有理数である。√(根号)がついているからといって無理数とは限らない。根号の中が平方数なら有理数になる。
Q. $\pi$(円周率)はなぜ無理数なのですか?
A. $\pi = 3.14159265…$ は規則性なく無限に続く小数であり、どのような整数の比でも表せないことが数学的に証明されている。高度な内容なので、中学では「$\pi$ は無理数」と覚えておけばよい。
よくある間違いと対策
✗ 間違い:$\sqrt{9}$ は無理数
○ 正解:$\sqrt{9} = 3$ なので有理数
対策:根号の中が平方数かどうかを必ず確認する。
✗ 間違い:$0.333…$ は無限に続くから無理数
○ 正解:$0.333… = \dfrac{1}{3}$ なので有理数
対策:循環小数は分数で表せることを覚えておく。
✗ 間違い:$\sqrt{2}$ も $\sqrt{4}$ も同じようなもの
○ 正解:$\sqrt{2}$は無理数、$\sqrt{4}=2$は有理数
対策:「分数で表せるか」という基準を常に意識する。
練習問題
① $7$ ② $\sqrt{5}$ ③ $\dfrac{2}{3}$ ④ $\sqrt{49}$ ⑤ $0.142857142857…$(循環小数)
① すべての整数は有理数である。
② すべての分数は有理数である。
③ $\pi$ は有理数である。
まとめ
この記事では、有理数と無理数の違いについて学んだ。ポイントは以下の通りである。
- 有理数:分数(整数の比)で表せる数。整数、有限小数、循環小数はすべて有理数。
- 無理数:分数で表せない数。$\sqrt{2}$, $\sqrt{3}$, $\pi$ など、非循環無限小数になる。
- 判定のコツ:$\sqrt{n}$ の場合、$n$ が平方数(1, 4, 9, 16, …)なら有理数、そうでなければ無理数。
Core-dorill— 基礎を、何度でも。

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