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【文字式】乗法公式①(a+b)²と(a-b)²の展開【中3数学】【必須】

乗法公式じょうほうこうしきって、結局どれを使えばいいかわからない」——そんな悩みを抱えていないだろうか。

公式を丸暗記したのに、テストになると手が止まる。似たような式がいくつもあって、どれがどれだかごちゃごちゃになる。これは公式を「形」で覚えようとしているからである。

実は、$(a+b)^2$ と $(a-b)^2$ の展開は、「なぜそうなるか」を理解すれば、暗記しなくても自分で導ける。この記事では、面積図を使って公式の意味を視覚的に理解し、迷わず使えるようになるまで解説する。

対象:中学3年 所要時間:約8分
目次

そもそも「展開てんかい」とは?

展開とは、括弧かっこを外して、式をシンプルな形にすることである。

例えば、$3(x+2)$ を展開すると $3x + 6$ になる。これは分配法則ぶんぱいほうそくを使っている。

$$3(x+2) = 3 \times x + 3 \times 2 = 3x + 6$$

分配法則とは、$a(b+c) = ab + ac$ のように、括弧の外の数を括弧の中の各項にかけることである。

では、$(a+b)^2$ はどうだろうか。これは $(a+b)(a+b)$ という意味である。つまり、$(a+b)$ を2回かけることになる。

$(a+b)^2$ を図で理解する

$(a+b)^2$ の意味を、面積で考えてみよう。「1辺が $(a+b)$ の正方形の面積」と考えることができる。

このように、$(a+b)^2$ の正方形を4つの部分に分けると、$a^2$、$ab$、$ab$、$b^2$ の4つになる。$ab$ が2つあるので、合計は次のようになる。

$$(a+b)^2 = a^2 + 2ab + b^2$$

「2ab」の「2」は、長方形が2つあることを表している。これを忘れるミスが非常に多いので、面積図をイメージして覚えよう。

$(a-b)^2$ を図で理解する

次に $(a-b)^2$ を考えよう。これは「1辺が $(a-b)$ の正方形の面積」である。

ただし、引き算なので少し工夫が必要だ。「1辺が $a$ の正方形から、はみ出た部分を引く」と考える。

$(a-b)^2$ は、元の $a^2$ から $2ab$ を引いて、引きすぎた $b^2$ を足し戻すと考えることができる。

$$(a-b)^2 = a^2 – 2ab + b^2$$

$(a+b)^2$ との違いは、真ん中の項の符号だけである。$+2ab$ が $-2ab$ になる。これは「$-b$ を2回かける」ことを意味している。

公式のまとめと覚え方

2つの公式を並べてみよう。

$$(a+b)^2 = a^2 + 2ab + b^2$$ $$(a-b)^2 = a^2 – 2ab + b^2$$

覚え方のコツ

  • 二乗にじょう」「2倍」「二乗」の順番($a^2$、$2ab$、$b^2$)
  • 真ん中の符号は、括弧の中の符号と同じ($+$ なら $+2ab$、$-$ なら $-2ab$)
  • 両端の $a^2$ と $b^2$ は必ずプラス(二乗は常に正)

例題で手順を確認する

実際に公式を使って展開してみよう。

例題1:$(x+3)^2$ を展開せよ

1

公式 $(a+b)^2 = a^2 + 2ab + b^2$ を使う。

ここで $a = x$、$b = 3$ と対応させる。

2

公式に当てはめる。

$$\begin{aligned} (x+3)^2 &= x^2 + 2 \times x \times 3 + 3^2 \\[8pt] &= x^2 + 6x + 9 \end{aligned}$$

$2ab$ の部分は「$2 \times x \times 3 = 6x$」と、順番に計算するとミスが減る。

例題2:$(y-5)^2$ を展開せよ

1

公式 $(a-b)^2 = a^2 – 2ab + b^2$ を使う。

ここで $a = y$、$b = 5$ と対応させる。

2

公式に当てはめる。

$$\begin{aligned} (y-5)^2 &= y^2 – 2 \times y \times 5 + 5^2 \\[8pt] &= y^2 – 10y + 25 \end{aligned}$$

例題3:$(2a+b)^2$ を展開せよ

$a$ の係数けいすうが1以外の場合も、同じように当てはめる。

1

$(□+○)^2$ の形で、$□ = 2a$、$○ = b$ と見る。

2

公式に当てはめる。

$$\begin{aligned} (2a+b)^2 &= (2a)^2 + 2 \times (2a) \times b + b^2 \\[8pt] &= 4a^2 + 4ab + b^2 \end{aligned}$$

$(2a)^2 = 2^2 \times a^2 = 4a^2$ である。係数も忘れずに二乗すること。

よくある間違いと対策

1

「2ab」の2を忘れる

❌ $(x+3)^2 = x^2 + 3x + 9$

✅ $(x+3)^2 = x^2 + 6x + 9$

対策:面積図をイメージし、「長方形が2つある」と覚える。

2

符号のミス

❌ $(x-3)^2 = x^2 + 6x + 9$

✅ $(x-3)^2 = x^2 – 6x + 9$

対策:真ん中の項の符号は、括弧の中の符号と同じ。両端は常にプラス。

3

係数の二乗忘れ

❌ $(3x+2)^2 = 3x^2 + 12x + 4$

✅ $(3x+2)^2 = 9x^2 + 12x + 4$

対策:$(3x)^2 = 9x^2$ のように、係数も含めて二乗する。

この単元のよくある質問

Q. $(a+b)^2$ を $(a+b)(a+b)$ と展開してはいけないのですか?

A. いけなくはありません。実際、$(a+b)(a+b) = a^2 + ab + ab + b^2 = a^2 + 2ab + b^2$ と計算できます。ただし、公式を使えば1ステップで答えが出るため、計算ミスが減り、時間も短縮できます。テストでは公式を使う方が有利です。

Q. なぜ $(a-b)^2$ の $b^2$ はプラスになるのですか?

A. $(-b) \times (-b) = b^2$ となるからです。マイナス同士をかけるとプラスになります。$(a-b)^2 = (a-b)(a-b)$ と展開すると、$(-b) \times (-b) = +b^2$ が含まれていることがわかります。

Q. 公式を忘れてしまったらどうすればいいですか?

A. $(a+b)(a+b)$ を普通に展開すれば導けます。$a \times a + a \times b + b \times a + b \times b = a^2 + 2ab + b^2$ となります。ただし時間がかかるので、普段から公式を使って練習しておくことが大切です。

練習問題

問1. $(x+4)^2$ を展開せよ。
問2. $(y-7)^2$ を展開せよ。
問3. $(3x+2)^2$ を展開せよ。

まとめ

この記事では、乗法公式 $(a+b)^2$ と $(a-b)^2$ の展開について学んだ。ポイントは以下の通りである。

  • $(a+b)^2 = a^2 + 2ab + b^2$(真ん中はプラス)
  • $(a-b)^2 = a^2 – 2ab + b^2$(真ん中はマイナス、両端はプラス)
  • 「2ab」の「2」は、面積図で長方形が2つあることを意味する
  • 係数がある場合も、まとめて二乗することを忘れない

公式は暗記するだけでなく、面積図でイメージできるようになると、間違えにくくなる。繰り返し練習して、手が勝手に動くようになるまで慣れよう。

Core-dorill— 基礎を、何度でも。

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