「1から5までのカードから2枚引く確率を求めよ」——この手の問題で、なぜか答えが合わないと悩んでいないだろうか。
樹形図を描いても数え間違える。「引いたカードを戻す・戻さない」で何が変わるのかわからない。そもそも分母の「すべての場合の数」をどう数えればいいのか自信がない。
実は、カード・くじ問題でつまずく原因のほとんどは「樹形図の書き方」と「順番を区別するかどうか」の2点だけである。この記事では、この2つのポイントを図解とアニメーションで徹底的に解説し、どんな問題でも迷わず解けるようになるまで導く。
そもそも「確率」とは何か?
確率とは、「ある事象がどのくらい起こりやすいか」を0から1の間の数で表したものである。
事象とは、「〜が起こる」という出来事のことである。例えば「赤いカードを引く」「当たりくじを引く」などが事象にあたる。
例えば、1から5までの数字が書かれたカードが1枚ずつある。この中から1枚引くとき、「3のカードを引く確率」は次のように求める。
すべての場合の数が5通り(1, 2, 3, 4, 5のどれかを引く)で、3のカードを引く場合が1通りだからである。
カード問題の樹形図を理解する
カードを「2枚以上引く」問題では、樹形図を使って場合の数を数える。樹形図とは、起こりうる結果を枝分かれで表した図のことである。
上のアニメーションは、1, 2, 3 のカードから2枚を順番に引く(引いたカードは戻さない)場合を示している。
- 1回目に引けるカードは 1, 2, 3 の3通り
- 1回目に1を引いた場合、2回目に引けるのは 2, 3 の2通り(1はもう使えない)
- 同様に、どのカードを引いても2回目は2通りずつ
- よって、すべての場合の数は $3 \times 2 = 6$ 通り
「順番を区別する」と「区別しない」の違い
カード問題で最も重要なのが、「順番を区別するかどうか」である。これを間違えると、確率の計算が合わなくなる。
「1を引いてから2を引く」と「2を引いてから1を引く」は、順番を区別するなら別々の結果、区別しないなら同じ結果として数える。
問題文での見分け方
| 問題文の表現 | 順番 | 場合の数 |
|---|---|---|
| 「順に引く」「1枚目、2枚目」 | 区別する | 多い |
| 「同時に引く」「2枚を選ぶ」 | 区別しない | 少ない |
「戻す」と「戻さない」の違い
もう一つ重要なのが、引いたカードを「戻すかどうか」である。
計算式のまとめ
$n$ 枚のカードから $r$ 枚引くとき:
| 戻す | 戻さない | |
|---|---|---|
| 順番を区別する | $n^r$ | $n \times (n-1) \times \cdots$ |
| 順番を区別しない | (中学では扱わない) | 上の結果を $r!$ で割る |
例題で手順を確認する
例題1:順番を区別する場合
すべての場合の数を求める
5枚から2枚を順に引く(戻さない)ので、
条件を満たす場合の数を求める
奇数のカードは 1, 3, 5 の3枚である。
この3枚から2枚を順に引くので、
確率を求める
例題2:順番を区別しない場合
すべての場合の数を求める
5枚から2枚を同時に引く(順番を区別しない)ので、
まず順番を区別して数えると $5 \times 4 = 20$ 通り
同じ組み合わせが2回ずつ数えられているので2で割る
条件を満たす場合の数を求める
奇数3枚から2枚を同時に引くので、
具体的には {1,3}, {1,5}, {3,5} の3通りである。
確率を求める
例題1と例題2は答えが同じになった。これは「分母と分子で同じ方法で数えている」からである。順番を区別してもしなくても、一貫していれば正しい答えが出る。
くじ引きの問題を解く
くじ引き問題も考え方はカード問題と同じである。「当たり」と「はずれ」の数に注目する。
例題3:くじ引き
すべての場合の数
2本とも当たりの場合の数
1本目で当たり3本から1本引き、2本目で残り2本から1本引く
確率を求める
よくある間違いと対策
「戻す・戻さない」を読み飛ばす
問題文に明記されていない場合は「戻さない」が多い。迷ったら樹形図で確認しよう。
分母と分子で数え方が違う
すべての場合を「順番あり」で数えたら、条件を満たす場合も「順番あり」で数える。混ぜるとおかしくなる。
約分を忘れる
$\dfrac{6}{20}$ のまま答えにしない。必ず $\dfrac{3}{10}$ まで約分する。
この単元のよくある質問
Q. 「同時に引く」と「順に引いて戻さない」は違うのですか?
A. 結果的に選ばれるカードの組み合わせは同じになる。ただし、「順に引く」は順番を区別して数えることが多く、「同時に引く」は順番を区別しないことが多い。問題文をよく読み、どちらで数えるべきか判断しよう。
Q. 樹形図を書かずに計算だけで解いてもいいですか?
A. 慣れてきたら計算だけでも解ける。しかし、最初のうちは必ず樹形図を書いて確認することをすすめる。ミスを防ぎ、考え方を整理できるからである。
Q. 確率の答えは分数でなくてもいいですか?
A. 特に指定がなければ分数で答えるのが一般的である。小数で答える場合は、$0.3$ のように書く。パーセントで答える場合は $30\%$ のように単位をつける。
練習問題
まとめ
この記事では、カード・くじの確率問題の解き方を学んだ。ポイントは以下の通りである。
- 樹形図を使って場合の数を正確に数える
- 「順番を区別する・しない」を問題文から判断する
- 「戻す・戻さない」で場合の数が変わることを理解する
- 分母と分子で同じ数え方をする
- 答えは必ず約分する
最初は面倒に感じても、樹形図を書く習慣をつけよう。それが確率問題を得意にする最短の道である。
Core-dorill— 基礎を、何度でも。

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