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【1次関数】1次関数の利用④|動点の問題【中2数学】【応用】

1次関数の利用④|動点の問題

「点が動くって、どう式にすればいいの?」——そんな戸惑とまどいを感じたことはないだろうか。

動点どうてんの問題は、図形の上を点が動くとき、面積や長さがどう変わるかを1次関数で表す問題である。一見難しそうだが、やることは「動いた距離きょりを $x$ とおいて、面積を $y$ で表す」——これだけである。

この記事では、動点の問題を「図で見て」「手順どおりに」解けるようになるまで、ひとつずつ確認していく。

対象:中学2年 所要時間:約10分
目次

そもそも動点の問題とは?

動点の問題とは、図形の辺の上を一定の速さで動く点があるとき、その点の位置によって変わる量(面積など)を関数で表す問題である。

動点どうてんとは、文字どおり「動く点」のことである。問題では「点Pが毎秒1cmの速さで動く」のように設定される。

具体的には、次のような問題である。

【例】右の図のような長方形ABCDがある。点Pは頂点Aを出発し、辺AB上を毎秒1cmの速さでBまで動く。点Pが出発してから $x$ 秒後の△APDの面積を $y$ cm²とするとき、$y$ を $x$ の式で表せ。

この問題では、$x$(時間)が変わると、$y$(面積)も変わる。この関係を式で表すのが動点の問題である。

動点の問題を図で理解する

まずは、点Pがどのように動き、面積がどう変わるかを目で見て確認しよう。下のアニメーションで、点Pの動きと三角形の面積の変化を観察してほしい。

アニメーションを見ると、次のことがわかる。

  • 点Pが右に動くほど、底辺APが長くなる
  • 高さ(AD)は4cmで変わらない
  • 面積は「底辺×高さ÷2」で求まる

つまり、$x$ 秒後には AP $= x$ cm となり、面積 $y$ は次のように表せる。

$$y = \frac{1}{2} \times x \times 4 = 2x$$

これが1次関数 $y = 2x$ の式である。

動点の問題を解く手順

動点の問題は、次の3つの手順で解くことができる。

1
変数を決める

「点Pが動いた距離きょり」または「出発してからの時間」を $x$ とおく。求める量(面積など)を $y$ とおく。

2
図から長さを読み取る

$x$ を使って、変化する辺の長さを表す。変わらない辺の長さも確認する。

3
公式に代入する

三角形の面積なら「底辺×高さ÷2」に代入して、$y$ を $x$ の式で表す。

例題で手順を確認しよう

実際に例題を解いてみよう。

【例題】下の図のような長方形ABCDで、AB $= 6$ cm、AD $= 4$ cm である。点Pは頂点ちょうてんAを出発し、辺AB上を毎秒1cmの速さでBまで動く。出発してから $x$ 秒後の△APDの面積を $y$ cm²とするとき、$y$ を $x$ の式で表せ。また、$x$ の変域へんいきを求めよ。

【解答】

手順1:変数を決める

出発してからの時間を $x$ 秒、面積を $y$ cm²とする。

手順2:図から長さを読み取る

点Pは毎秒1cmで動くので、$x$ 秒後には

$$\text{AP} = 1 \times x = x \text{ (cm)}$$

高さADは $4$ cmで変わらない。

手順3:公式に代入する

三角形の面積 $=$ 底辺 $\times$ 高さ $\div 2$ より、

$$\begin{aligned} y &= \frac{1}{2} \times \text{AP} \times \text{AD} \\[8pt] &= \frac{1}{2} \times x \times 4 \\[8pt] &= 2x \end{aligned}$$

変域を求める:

点PはAからBまで動く。AB $= 6$ cm で、毎秒1cmで動くので、

  • $x = 0$ のとき:点PはAにいる(出発時)
  • $x = 6$ のとき:点PはBに着く

よって、$x$ の変域は

$$0 \leq x \leq 6$$

【答え】 $y = 2x$ ($0 \leq x \leq 6$)

グラフで確認しよう

$y = 2x$($0 \leq x \leq 6$)をグラフに表すと、下のようになる。スライダーを動かして、$x$ と $y$ の関係を確認してみよう。

$x$ の値: 3

場合分けが必要な動点の問題

点Pが複数の辺を動くときは、辺ごとに式が変わる。これを「場合分ばあいわけ」という。次のアニメーションで確認しよう。

上の例では、点PがAB上を動くときと、BC上を動くときで式が変わる。

区間$x$ の変域$y$ の式
PがAB上$0 \leq x \leq 6$$y = 2x$
PがBC上$6 \leq x \leq 10$$y = 12$(一定)

PがBC上にいるとき、△APDの底辺(AD)と高さ(AB)が両方とも変わらないので、面積は一定になる。

よくある間違いと対策

1
速さと距離を混同する

「毎秒2cmで動く」場合、$x$ 秒後の距離は $2x$ cm である。「$x$ cm」ではない。

対策:「距離 $=$ 速さ $\times$ 時間」を確認してから代入する。

2
底辺と高さを逆にする

三角形の面積を求めるとき、動く辺と固定の辺のどちらが底辺かを確認する。

対策:図に底辺と高さを書き込んでから計算する。

3
変域を忘れる

動点の問題では、$x$ がとりうる範囲(変域)も答えの一部である。

対策:「出発点で $x = 0$」「到着点で $x = $ ?」を必ず確認する。

この単元のよくある質問

Q. なぜ点Pの動いた距離を $x$ とおくのですか?

A. 点Pの位置が変わると面積も変わるからである。変わる量を文字でおくことで、2つの量の関係を式で表せるようになる。時間を $x$ とおく場合も、結局「距離 $=$ 速さ $\times$ 時間」で距離に変換して使う。

Q. 場合分けはどんなときに必要ですか?

A. 点Pが複数の辺をまたいで動くときに必要である。辺が変わると、底辺や高さとして使う長さが変わることがあるため、式も変わる。

Q. 変域はなぜ大切なのですか?

A. 動点は無限に動けるわけではなく、図形の辺の上だけを動く。変域を示すことで「この式はこの範囲でのみ成り立つ」と正しく伝えられる。グラフを書くときにも変域が必要になる。

練習問題

問1. 下の図のような長方形ABCDで、AB $= 8$ cm、AD $= 5$ cm である。点Pは頂点Aを出発し、辺AB上を毎秒2cmの速さでBまで動く。出発してから $x$ 秒後の△APDの面積を $y$ cm²とするとき、$y$ を $x$ の式で表せ。また、$x$ の変域を求めよ。
問2. 下の図のような長方形ABCDで、AB $= 6$ cm、BC $= 4$ cm である。点Pは頂点Bを出発し、辺BC上を毎秒1cmの速さでCまで動く。出発してから $x$ 秒後の△ABPの面積を $y$ cm²とするとき、$y$ を $x$ の式で表せ。
問3. 長方形ABCDで、AB $= 4$ cm、AD $= 3$ cm である。点Pは頂点Aを出発し、辺上をA→B→Cの順に毎秒1cmで動く。$x$ 秒後の△APDの面積を $y$ cm²とするとき、$y$ を $x$ の式で表せ(場合分けして答えよ)。

まとめ

この記事では、1次関数の利用として「動点の問題」について学んだ。ポイントは以下の通りである。

  • 動点の問題は「動いた距離を $x$、面積などを $y$」として式を立てる
  • 「距離 $=$ 速さ $\times$ 時間」を使って長さを表す
  • 点が複数の辺を動くときは、辺ごとに場合分けする
  • 変域($x$ のとりうる範囲)も忘れずに答える

手順どおりに進めれば、動点の問題も確実に解けるようになる。繰り返し練習して、自分のものにしてほしい。

Core-dorill— 基礎を、何度でも。

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