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【1次関数】1次関数の利用①|速さ・時間・距離の問題【中2数学】【必須】

「速さの問題が出ると、何から手をつければいいかわからない」——そんな経験はないだろうか。

式を立てようとしても、どの数字をどこに当てはめればいいか迷う。グラフを描けと言われても、何を縦軸にすればいいのか混乱する。そうして時間だけが過ぎていく。

実は、速さ・時間・距離の問題は、「グラフの読み方」と「式の立て方」の2つのパターンを押さえるだけで、ほとんど解けるようになる。この記事では、1次関数を使った速さの問題を、図解とアニメーションで順を追って解説する。

対象:中学2年 所要時間:約12分
目次

速さ・時間・距離の関係を確認しよう

速さの問題を解く前に、基本の関係式を確認しておこう。

$$\text{距離} = \text{速さ} \times \text{時間}$$

この式を変形すると、次の3つの公式が得られる。

$$\begin{aligned} \text{距離} &= \text{速さ} \times \text{時間} \\[8pt] \text{速さ} &= \frac{\text{距離}}{\text{時間}} \\[8pt] \text{時間} &= \frac{\text{距離}}{\text{速さ}} \end{aligned}$$

傾きかたむきという言葉がこの後出てくるが、これは「1進んだときにどれだけ上がるか(または下がるか)」を表す数である。速さの問題では、傾きが速さに対応することが多い。

1次関数のグラフで「動き」を表す

速さの問題では、横軸を「時間」、縦軸を「距離」としてグラフを描くことが多い。

例えば、「分速60mで歩く人」を考えよう。出発してから $x$ 分後に進んだ距離を $y$ mとすると、次の式で表せる。

$$y = 60x$$

この式は1次関数であり、グラフは原点を通る直線になる。

グラフを見てみよう。

  • 横軸(x軸)は「時間(分)」を表す
  • 縦軸(y軸)は「距離(m)」を表す
  • 5分後には300m、10分後には600m進んでいる

グラフの傾きかたむきは「5分で300m進む」つまり「1分で60m進む」ことを表している。これが分速ぶんそく60mという速さに対応する。

2人が出会う問題を解こう

ここから、実際の問題を解いてみよう。まずは「2人が出会う」パターンである。

例題

A君は家から学校に向かって分速60mで歩き始めた。その4分後に、B君が学校から家に向かって分速80mで歩き始めた。家から学校までの距離は1000mである。2人が出会うのは、A君が出発してから何分後か。

グラフで状況を把握する

まず、A君とB君の動きをグラフで確認しよう。

グラフの見方を確認しよう。

  • 赤い線(A君):原点(家)から右上に向かって伸びている。分速60mで進むので、傾きは60である。
  • 青い線(B君):4分後に学校(1000m地点)を出発し、家に向かって進む。傾きは−80(マイナスは家に近づく向き)である。
  • 緑の点:2人が出会う場所と時刻を表す。

式を立てて解く

それでは、式を立てて正確な時刻を求めよう。

1

A君が $x$ 分後に家から進んだ距離を $y$ mとすると

$$y = 60x$$
2

B君は4分後に出発するので、出発してからの時間は $(x – 4)$ 分である。

学校(1000m地点)から家に向かうので、家からの距離は

$$y = 1000 – 80(x – 4)$$

これを整理すると

$$\begin{aligned} y &= 1000 – 80x + 320 \\[8pt] y &= 1320 – 80x \end{aligned}$$
3

2人が出会うとき、家からの距離が等しいので

$$60x = 1320 – 80x$$
4

この方程式ほうていしきを解く。

$$\begin{aligned} 60x + 80x &= 1320 \\[8pt] 140x &= 1320 \\[8pt] x &= \frac{1320}{140} \\[8pt] x &= \frac{66}{7} = 9\frac{3}{7} \end{aligned}$$
答え

A君が出発してから $\displaystyle 9\frac{3}{7}$ 分後に出会う。

追いつく問題を解こう

次に「追いつく」パターンを見てみよう。

例題

弟が家を出発して分速50mで歩き始めた。その6分後に、兄が家を出発して分速80mで弟を追いかけた。兄が弟に追いつくのは、弟が出発してから何分後か。

グラフで状況を把握する

グラフのポイントは次の通りである。

  • 弟は原点から出発し、傾きかたむき50の直線を描く
  • 兄は6分後に出発するので、点(6, 0)から傾き80の直線を描く
  • 傾きが大きい(速い)ほど、グラフは急になる
  • 追いつく点は、2つのグラフの交点である

式を立てて解く

1

弟が $x$ 分後に家から進んだ距離を $y$ mとすると

$$y = 50x$$
2

兄は6分後に出発するので、出発してからの時間は $(x – 6)$ 分である。

$$y = 80(x – 6)$$
3

追いつくとき、家からの距離が等しいので

$$50x = 80(x – 6)$$
4

方程式を解く。

$$\begin{aligned} 50x &= 80x – 480 \\[8pt] 50x – 80x &= -480 \\[8pt] -30x &= -480 \\[8pt] x &= 16 \end{aligned}$$
答え

弟が出発してから 16分後 に追いつく。

問題を解くための3ステップ

速さの問題は、次の3ステップで考えるとよい。

1

変数を決める

「基準となる人が出発してから $x$ 分後」を時間の変数にする。

家(または基準点)からの距離を $y$ mとする。

2

それぞれの式を立てる

各人物について「$y = $ (速さ)$\times$(時間)$+$(初期位置)」の形で式を立てる。

遅れて出発する人は $(x – $ 遅れ時間$)$ を時間に使う。

逆方向に進む人は、速さにマイナスをつける。

3

条件に合わせて方程式を立てる

  • 「出会う」「追いつく」→ 2人の $y$ が等しい
  • 「○○m離れる」→ 2人の $y$ の差が○○

よくある間違いと対策

間違い1

遅れて出発する人の時間を間違える

6分遅れで出発する人の式を $y = 80x$ としてしまう。

→ 正しくは $y = 80(x – 6)$ である。出発してからの時間は $(x – 6)$ 分だからである。

間違い2

向きを考えない

反対方向に進む人も同じ符号で式を立ててしまう。

→ 基準点から離れる向きをプラス、近づく向きをマイナスと統一する。

間違い3

答えの確認をしない

→ 求めた時刻を式に代入して、確かに出会う(追いつく)ことを確認しよう。

この単元のよくある質問

Q. グラフの傾きと速さの関係がわかりません。

A. グラフの傾きは「1分あたりに進む距離」を表す。つまり、傾きの値がそのまま分速(m/分)になる。傾きが大きいほど速く、グラフは急になる。

Q. 「出会う」と「追いつく」の違いは何ですか?

A. 「出会う」は反対方向から進んできた2人がすれ違うこと。「追いつく」は同じ方向に進んでいて、後から出発した人(または速い人)が先に出発した人(または遅い人)に並ぶことである。どちらもグラフでは2つの直線の交点として現れる。

Q. 式を立てるとき、どちらを基準にすればよいですか?

A. 基本的には「最初に出発した人が出発してからの時間」を $x$ とするとよい。そうすると、遅れて出発した人の式で $(x – $ 遅れ時間$)$ を使うだけで済む。

練習問題

問1. 姉が家を出発して分速70mで駅に向かって歩き始めた。その5分後に、妹が家を出発して分速100mで姉を追いかけた。妹が姉に追いつくのは、姉が出発してから何分後か。
問2. P地点とQ地点の距離は1200mである。AはP地点から、BはQ地点から同時に出発し、向かい合って歩いた。Aの速さは分速60m、Bの速さは分速90mである。2人が出会うのは出発してから何分後か。
問3. 太郎は家を出発して学校に向かって分速80mで走り始めた。その3分後に、太郎が忘れ物をしたことに気づいた母が、分速200mの自転車で太郎を追いかけた。母が太郎に追いつくのは、太郎が出発してから何分後か。

まとめ

この記事では、1次関数を使った速さ・時間・距離の問題について学んだ。ポイントは以下の通りである。

  • グラフの横軸は時間、縦軸は距離にする
  • グラフの傾きが速さを表す
  • 遅れて出発する人は $(x – $ 遅れ時間$)$ を時間に使う
  • 「出会う」「追いつく」はグラフの交点で、式を等しいとおいて解く

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