「$ax + by = c$ の形の式をグラフにしなさい」と言われて、どこから手をつければいいかわからず固まった経験はないだろうか。
$y = ax + b$ の形なら傾きと切片がすぐわかるのに、$2x + 3y = 6$ のような形だと急に難しく感じてしまう。途中で計算ミスをして、グラフが変な位置に描かれてしまうこともあるはずだ。
実は、やることは1つだけである。「$y = $ の形に変形する」か「切片を2つ求める」か、どちらかの方法をマスターすれば、どんな2元1次方程式でも確実にグラフが描ける。この記事では、両方の方法を順を追って解説する。
そもそも2元1次方程式とは?
2元1次方程式とは、2つの文字を含み、どちらの文字も1乗である方程式のことである。
「2元」は文字が2種類あるという意味である。$x$ と $y$ の2つを使うことが多い。「1次」は文字の累乗が1であるという意味である。$x^2$ や $y^3$ のような形は含まない。
具体例を見てみよう。
この式には $x$ と $y$ の2つの文字があり、どちらも1乗である。これが2元1次方程式だ。
重要なポイントは、2元1次方程式を満たす $(x, y)$ の組は無数にあるということである。
例えば $2x + 3y = 6$ を満たす点を探してみよう。
- $x = 0$ のとき、$3y = 6$ より $y = 2$ → 点 $(0, 2)$
- $x = 3$ のとき、$6 + 3y = 6$ より $y = 0$ → 点 $(3, 0)$
- $x = 6$ のとき、$12 + 3y = 6$ より $y = -2$ → 点 $(6, -2)$
これらの点をすべて座標平面上に打つと、1本の直線上に並ぶのである。
2元1次方程式のグラフを図で理解する
$2x + 3y = 6$ を満たす点をたくさん打っていくと、どうなるか見てみよう。
アニメーションを再生すると、点が次々と現れ、最後にそれらが1本の直線上に並ぶことがわかる。
2元1次方程式のグラフは必ず直線になる。これは $y = ax + b$ の形と同じである。実際、$ax + by = c$ という形は、$y = $ の形に変形すると1次関数になる。
グラフの描き方【方法1】$y = $ の形に変形する
最も確実な方法は、$ax + by = c$ を $y = $ の形に変形することである。
$y$ の項を左辺に、それ以外を右辺に移動する
例:$2x + 3y = 6$ の場合
移項するときは符号が逆になる。$2x$ は左辺にあったので、右辺に移すと $-2x$ になる。
両辺を $y$ の係数で割る
傾きと切片を読み取ってグラフを描く
$y = -\dfrac{2}{3}x + 2$ より
- 傾き:$-\dfrac{2}{3}$(右に3進むと下に2下がる)
- $y$切片:$2$(点 $(0, 2)$ を通る)
グラフの描き方【方法2】切片を2つ求める
もう1つの方法は、$x$切片と $y$切片を求めて、2点を結ぶやり方である。
$x$切片とは、グラフが $x$ 軸と交わる点の $x$ 座標である。$y$切片とは、グラフが $y$ 軸と交わる点の $y$ 座標である。
$y = 0$ を代入して $x$切片を求める
$2x + 3y = 6$ に $y = 0$ を代入
$x$切片は $3$ → 点 $(3, 0)$ を通る
$x = 0$ を代入して $y$切片を求める
$2x + 3y = 6$ に $x = 0$ を代入
$y$切片は $2$ → 点 $(0, 2)$ を通る
2点を結んで直線を引く
$(3, 0)$ と $(0, 2)$ を結ぶだけでグラフが完成する。
2つの方法を図で比較する
どちらの方法でも同じ直線が描ける。自分がやりやすい方法を選ぼう。
方法1は、傾きの計算が得意な人向け。方法2は、代入して点を求めるだけなので計算ミスが少ない。迷ったら方法2がおすすめである。
例題:$3x - 2y = 12$ のグラフを描く
実際に問題を解いてみよう。ここでは方法2(切片を2つ求める)で解く。
$y = 0$ を代入して $x$切片を求める
点 $(4, 0)$ を通る
$x = 0$ を代入して $y$切片を求める
点 $(0, -6)$ を通る
2点を結ぶ
$(4, 0)$ と $(0, -6)$ を直線で結べば完成。
特別な場合:$x = k$ と $y = k$ のグラフ
2元1次方程式の中には、特別な形のものがある。
$x = 3$ の形($y$ がない式)
「$x$ の値が常に3」という意味である。$y$ は何でもよい。
グラフは$y$ 軸に平行な縦線になる。
$y = 2$ の形($x$ がない式)
「$y$ の値が常に2」という意味である。$x$ は何でもよい。
グラフは$x$ 軸に平行な横線になる。
$x = k$ の形は傾きが定義できない($y = ax + b$ の形に変形できない)。だから $y$ 軸に平行になるのである。
よくある間違いと対策
移項で符号を間違える
$2x + 3y = 6$ を変形するとき、$3y = 2x + 6$ としてしまうミス。
対策:移項したら必ず符号が逆になる。$2x$ が右辺に移ると $-2x$ になる。
割り算を分子の一部にしか適用しない
$3y = -2x + 6$ を $y = -2x + 2$ としてしまうミス。
対策:両辺を3で割るときは、右辺全体を3で割る。$y = \dfrac{-2x + 6}{3}$ と書いてから計算する。
切片を求めるときの代入ミス
$x$切片を求めるのに $x = 0$ を代入してしまうミス。
対策:「$x$切片は $y = 0$」「$y$切片は $x = 0$」と覚える。軸の名前と逆の文字に0を入れる。
この単元のよくある質問
Q. 方法1と方法2、どちらを使えばいいですか?
A. どちらでも正しい答えが出る。計算が得意なら方法1($y = $ の形に変形)、確実に解きたいなら方法2(切片を2つ求める)がおすすめである。テストでは自分がミスしにくい方を選ぼう。
Q. $ax + by = c$ と $y = ax + b$ の違いは何ですか?
A. 表現の仕方が違うだけで、どちらも直線を表す。$ax + by = c$ を変形すれば $y = $ の形になる。$ax + by = c$ は「一般形」、$y = ax + b$ は「傾き切片形」と呼ばれる。
Q. $x = 3$ のような式は1次関数ではないのですか?
A. $x = 3$ は1次関数ではない。1次関数は $y = ax + b$ の形で表せる必要があるが、$x = 3$ は $y$ について解けないからである。ただし「2元1次方程式」の仲間には入る。
練習問題
まとめ
この記事では、$ax + by = c$ の形をした2元1次方程式のグラフの描き方を学んだ。ポイントは以下の通りである。
- 2元1次方程式のグラフは必ず直線になる
- 方法1:$y = $ の形に変形して、傾きと切片を読み取る
- 方法2:$x$切片と $y$切片を求めて、2点を結ぶ
- $x = k$ は $y$ 軸に平行な縦線、$y = k$ は $x$ 軸に平行な横線
どちらの方法でも同じ直線が描けるので、自分がやりやすい方を選ぼう。
Core-dorill— 基礎を、何度でも。

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