「傾きがプラスだと右上がり、マイナスだと右下がり」と習ったのに、いざグラフを見ると「どっちがどっちだっけ?」と混乱していないだろうか。
テストで傾きの符号を聞かれたとき、なんとなくで答えて間違える。グラフを描くとき、傾きの向きを逆にしてしまう。そんな経験があるかもしれない。
実は、傾きの正負とグラフの向きは、たった1つのイメージを持つだけで絶対に忘れなくなる。この記事では、その感覚を図とアニメーションで身につけていく。
そもそも「傾き」とは?
1次関数 $y = ax + b$ における $a$ の部分を傾きという。
傾きとは、「$x$ が1増えたとき、$y$ がどれだけ変化するか」を表す数である。
具体的に見てみよう。
$y = 2x + 1$ の場合、傾きは $2$ である。これは「$x$ が1増えると、$y$ は2増える」という意味だ。
$x$ が0→1→2と1ずつ増えるたびに、$y$ は1→3→5と2ずつ増えている。
では、$y = -2x + 1$ の場合はどうだろうか。傾きは $-2$ である。
$x$ が1増えるごとに、$y$ は2ずつ減っている。これが傾きが負のときの特徴である。
傾きの正負とグラフの向き
ここで重要な法則を覚えよう。
「右上がり」とは、グラフを左から右へ見たときに上に向かっていること。「右下がり」はその逆で、左から右へ見たときに下に向かっていることである。
なぜこうなるのか。傾きが正なら $x$ が増えると $y$ も増える。つまり右に行くほど上がる。傾きが負なら $x$ が増えると $y$ は減る。つまり右に行くほど下がる。
図で理解する:傾きとグラフの向き
傾きが正と負のグラフを並べて見てみよう。アニメーションで点が動く様子を観察してほしい。
左のグラフ(傾き正)を見ると、$x$ が増えるにつれて点が右上に移動していく。右のグラフ(傾き負)では、$x$ が増えると点は右下に移動する。
この動きのイメージを覚えておこう。
傾きの大きさとグラフの急さ
傾きの正負だけでなく、傾きの「大きさ」も重要である。
絶対値とは、数の符号を無視した大きさのこと。$|3| = 3$、$|-3| = 3$ である。
例えば、$y = 3x$ と $y = x$ を比べると、傾き3のグラフのほうが急になる。同様に、$y = -3x$ と $y = -x$ を比べると、傾き $-3$ のグラフのほうが急である。
3本のグラフを比べてみよう。赤い線(傾き2)が最も急で、緑の線(傾き0.5)が最もゆるやかである。傾きの絶対値で急さが決まるのだ。
傾きの見分け方:手順
グラフから傾きの正負を判断するときは、以下の手順で考えよう。
グラフの左端に目を置き、右に向かって線をたどる。
右に進むとき上がっていれば「右上がり」、下がっていれば「右下がり」である。
右上がり → 傾きは正($a > 0$)
右下がり → 傾きは負($a < 0$)
よくある間違いと対策
傾きの正負を判断するとき、よくある間違いを確認しておこう。
グラフが $x$ 軸より上にあるかどうかは、傾きではなく切片($b$ の値)で決まる。傾きはグラフの「向き」を見て判断する。
急なグラフでも、右下がりなら傾きは負である。「大きい」と「正」は違う。$a = -5$ は急だが負である。
必ず「左から右」に見ること。右から左に見ると、上がり下がりが逆になってしまう。
よくある質問と答え
Q. 傾きが0のときはどうなりますか?
A. 傾きが0のとき、$y = 0 \cdot x + b = b$ となり、$x$ 軸に平行な水平線になる。右上がりでも右下がりでもなく、ずっと同じ高さの直線である。
Q. 傾きと切片を見間違えないコツはありますか?
A. $y = ax + b$ において、$a$(傾き)は $x$ の前についている数、$b$(切片)は $x$ を含まない数である。傾きは「グラフの向き」、切片は「$y$ 軸との交点」と覚えておくとよい。
Q. 傾きが分数のときも正負の判断は同じですか?
A. 同じである。$a = \dfrac{1}{2}$ なら正で右上がり、$a = -\dfrac{1}{2}$ なら負で右下がりになる。分数でも整数でも、正負の判断方法は変わらない。
練習問題
(1) $y = 3x + 2$
(2) $y = -x + 5$
(3) $y = \dfrac{1}{4}x - 1$
ア. $y = 2x + 1$
イ. $y = -4x + 3$
ウ. $y = x - 2$
ア. $y = -3x + 1$
イ. $y = -x + 1$
ウ. $y = x + 1$
まとめ
この記事では、1次関数の傾きとグラフの向きについて学んだ。ポイントは以下の通りである。
- 傾き $a > 0$(正)のとき、グラフは右上がりになる
- 傾き $a < 0$(負)のとき、グラフは右下がりになる
- 傾きの絶対値が大きいほど、グラフは急になる
- 判断するときは、必ず左から右に向かってグラフを見る
グラフの向きで迷ったら、「$x$ が増えると $y$ はどうなるか」を考えればよい。増えれば右上がり、減れば右下がりである。
Core-dorill— 基礎を、何度でも。

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