「$y = ax + b$ の $a$ と $b$ って何?」と聞かれて、すぐに答えられるだろうか。
グラフを描くとき、なんとなく点を打っているだけで、$a$ や $b$ が何を意味しているのかわからない。そんな状態では、問題を解くたびに「これでいいのかな」と不安になってしまう。
実は、$a$ と $b$ の意味さえ理解すれば、グラフの形が頭の中でイメージできるようになる。この記事では、1次関数の傾きと切片の意味を、図とアニメーションで徹底的に解説する。
そもそも傾きと切片とは?
1次関数 $y = ax + b$ には、グラフの形を決める2つの値がある。
傾きとは、グラフがどれくらい急かを表す数である。正の数なら右上がり、負の数なら右下がりになる。
切片とは、グラフが $y$ 軸と交わる点の $y$ 座標である。グラフの「スタート地点」と考えるとわかりやすい。
具体例を見てみよう。$y = 2x + 3$ という式があるとする。
- 傾き $a = 2$:$x$ が1増えると、$y$ は2増える
- 切片 $b = 3$:グラフは点 $(0, 3)$ を通る
つまり、$a$ は「変化の割合」、$b$ は「$y$ 軸との交点」を表している。
傾きを図で理解する
傾きの意味を、グラフで確認しよう。
上のグラフは $y = x + 1$ を表している。
傾きの求め方は次の通りである。
$x$ が1から3まで2増えると、$y$ は2から4まで2増える。よって傾きは $\dfrac{2}{2} = 1$ である。
傾きが1ということは、「$x$ が1増えるごとに $y$ も1増える」という意味である。
傾きの正負でグラフの向きが変わる
傾きが正か負かで、グラフの向きが大きく変わる。
ポイントを整理しよう。
| 傾き $a$ の値 | グラフの向き | 意味 |
|---|---|---|
| $a > 0$(正) | 右上がり | $x$ が増えると $y$ も増える |
| $a < 0$(負) | 右下がり | $x$ が増えると $y$ は減る |
| $a = 0$ | 水平 | $x$ が変わっても $y$ は変わらない |
傾きの絶対値が大きいほど、グラフは急になる。$a = 3$ は $a = 1$ より急で、$a = -3$ は $a = -1$ より急である。
切片を図で理解する
切片は、グラフが $y$ 軸と交わる点である。
上のグラフは $y = 0.5x + 1.5$ を表している。切片は $b = 1.5$ なので、グラフは点 $(0, 1.5)$ を通る。
切片がわかれば、$y$ 軸上に最初の点を打てる。そこから傾きを使って次の点を決めれば、グラフが描ける。
切片を変えるとグラフはどう動く?
傾きが同じで切片だけ変えると、グラフは平行移動する。
3本の直線はすべて傾き1である。切片が変わると、グラフは上下に平行移動する。
- $b > 0$ のとき:グラフは上に移動
- $b < 0$ のとき:グラフは下に移動
傾きと切片からグラフを描く手順
$y = 2x + 1$ のグラフを描いてみよう。
切片を確認する。$b = 1$ なので、点 $(0, 1)$ を打つ。
傾きを確認する。$a = 2$ は $\dfrac{2}{1}$ と考える。
傾き $= \dfrac{y\text{の増加量}}{x\text{の増加量}} = \dfrac{2}{1}$ なので、$x$ が1増えると $y$ は2増える。
$(0, 1)$ から、右に1、上に2進んだ点 $(1, 3)$ を打つ。
2点を通る直線を引く。これで完成である。
よくある間違いと対策
傾きと切片に関するよくある間違いを確認しよう。
間違い:傾きと切片を逆に覚える
$y = ax + b$ で、$a$ が切片、$b$ が傾きだと思ってしまう。
対策:「$a$ は斜め(傾き)、$b$ は縦(切片)」と覚える。$a$ は $x$ にかかっているので変化を表し、$b$ は単独で $y$ 軸上の位置を表す。
間違い:傾きが負のとき、上に進んでしまう
$y = -2x + 3$ で、傾き $-2$ を「右に1、上に2」と考えてしまう。
対策:傾きがマイナスのときは「右に1、下に(絶対値)」と進む。$-2$ なら「右に1、下に2」である。
間違い:$y = 3x$ の切片を見落とす
$y = 3x$ の形で、切片がないと思ってしまう。
対策:$y = 3x$ は $y = 3x + 0$ と同じである。切片 $b = 0$ なので、グラフは原点 $(0, 0)$ を通る。
この単元のよくある質問
Q. 傾きが分数のときはどうやってグラフを描けばいいですか?
A. 傾き $\dfrac{2}{3}$ なら「$x$ が3増えると $y$ が2増える」と考える。分母が $x$ の増加量、分子が $y$ の増加量である。切片の点から、右に3、上に2進んだ点を打てばよい。
Q. 傾きと変化の割合は同じものですか?
A. 1次関数では同じである。傾き $a$ は「$x$ が1増えたときの $y$ の増加量」を表し、これは変化の割合 $\dfrac{y\text{の増加量}}{x\text{の増加量}}$ と一致する。
Q. 2点の座標がわかっているとき、傾きはどう求めますか?
A. 2点 $(x_1, y_1)$、$(x_2, y_2)$ を通る直線の傾きは $a = \dfrac{y_2 – y_1}{x_2 – x_1}$ で求められる。$y$ の差を $x$ の差で割ればよい。
練習問題
(1) $y = 4x + 5$
(2) $y = -3x + 2$
(3) $y = \dfrac{1}{2}x – 7$
まとめ
この記事では、1次関数 $y = ax + b$ の傾きと切片について学んだ。ポイントは以下の通りである。
- 傾き $a$:$x$ が1増えたときの $y$ の増加量。正なら右上がり、負なら右下がり
- 切片 $b$:グラフが $y$ 軸と交わる点の $y$ 座標。点 $(0, b)$ を通る
- グラフの描き方:切片の点を打ち、傾きに従って次の点を決める
傾きと切片がわかれば、式を見ただけでグラフの形がイメージできるようになる。
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