「変化の割合」と聞いて、「また新しい言葉が出てきた…」と身構えていないだろうか。
実はこの「変化の割合」、1次関数の式 $y = ax + b$ に出てくる $a$ のことである。つまり、すでに知っている「傾き」と同じものだ。
この記事では、変化の割合の意味を図とアニメーションで確認し、「$x$ が増えると $y$ はどう変わるか」を自分で計算できるようになるまで、順を追って解説する。
そもそも「変化の割合」とは?
変化の割合とは、「$x$ が1増えたとき、$y$ がどれだけ変わるか」を表す数である。
増加量とは、「どれだけ増えたか(または減ったか)」を表す値である。例えば、$x$ が2から5に変わったとき、$x$ の増加量は $5 – 2 = 3$ である。
変化の割合は、次の式で求められる。
具体的な数字で見てみよう。
例えば、$x$ が2から5に増えたとき、$y$ が4から10に増えたとする。
変化の割合が2ということは、「$x$ が1増えると、$y$ は2増える」という意味である。
変化の割合と傾きの関係
1次関数 $y = ax + b$ において、変化の割合は常に $a$ に等しい。
$a$ は「傾き」とも呼ばれる。グラフがどれだけ急かを表す数である。
なぜ変化の割合が $a$ になるのか、計算で確かめてみよう。
$y = 2x + 3$ という関数で、$x$ が1から4に変わるとき:
たしかに、$y = 2x + 3$ の傾き $a = 2$ と一致している。
これは $x$ の値をどこからどこに変えても同じ結果になる。1次関数では、変化の割合は常に一定である。
変化の割合を図で理解する
変化の割合がグラフ上でどのような意味を持つか、アニメーションで確認しよう。
アニメーションの内容:
- まず、$y = 2x + 1$ のグラフが表示される
- 次に、$x$ が1から3に増える様子(水平方向の矢印)が表示される
- 続いて、$y$ が3から7に増える様子(垂直方向の矢印)が表示される
- 最後に、変化の割合 $\dfrac{4}{2} = 2$ が表示される
グラフ上では、変化の割合は「右にいくつ進んだとき、上にいくつ進むか」を表している。これが「傾き」と呼ばれる理由である。
変化の割合の符号が意味すること
変化の割合(傾き)が正の数か負の数かで、グラフの向きが変わる。
| 変化の割合 | グラフの向き | 意味 |
|---|---|---|
| 正($a > 0$) | 右上がり | $x$ が増えると $y$ も増える |
| 負($a < 0$) | 右下がり | $x$ が増えると $y$ は減る |
変化の割合を求める手順
$x$ と $y$ の値がわかっている2点を用意する。
(2つ目の $x$)−(1つ目の $x$)を計算する。
(2つ目の $y$)−(1つ目の $y$)を計算する。
$\dfrac{y\text{の増加量}}{x\text{の増加量}}$ を計算すれば、変化の割合が求まる。
例題
$x$ が2から5に変わるとき、$y$ が7から1に変わった。変化の割合を求めよ。
変化の割合が $-2$ ということは、$x$ が1増えると $y$ は2減るという意味である。グラフは右下がりになる。
よくある間違いと対策
$x$ の増加量と $y$ の増加量は、同じ順番で引き算する必要がある。
NG:$x$ は「5 − 2」、$y$ は「7 − 1」(順番がバラバラ)
OK:$x$ は「5 − 2」、$y$ は「1 − 7」(両方とも「2つ目 − 1つ目」)
変化の割合は「$y$ の増加量 ÷ $x$ の増加量」である。
$\dfrac{x\text{の増加量}}{y\text{の増加量}}$ としないように注意する。
$y$ が減少する場合、$y$ の増加量は負の数になる。
例:$y$ が7から1に変わったとき、増加量は $1 – 7 = -6$(−6である)
この単元のよくある質問
Q. 変化の割合と傾きは同じものですか?
A. 1次関数においては同じものである。$y = ax + b$ の $a$ が傾きであり、変化の割合でもある。ただし、2次関数などでは変化の割合は一定ではなくなるため、「傾き」という言葉は使わない。
Q. 変化の割合が分数になることはありますか?
A. ある。例えば、$x$ が2増えて $y$ が1増える場合、変化の割合は $\dfrac{1}{2}$ となる。これは「$x$ が1増えると $y$ は $\dfrac{1}{2}$ 増える」という意味である。
Q. 変化の割合が0になることはありますか?
A. ある。$y = 3$($x$ がどんな値でも $y$ は3)のような関数では、$y$ の増加量は常に0なので、変化の割合も0になる。このときグラフは水平な直線になる。
練習問題
まとめ
この記事では、1次関数の変化の割合について学んだ。ポイントは以下の通りである。
- 変化の割合 = $\dfrac{y\text{の増加量}}{x\text{の増加量}}$
- 1次関数 $y = ax + b$ では、変化の割合は常に傾き $a$ に等しい
- 変化の割合が正なら右上がり、負なら右下がりのグラフになる
- 引き算の順番を揃えることが計算ミスを防ぐコツである
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