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【空間図形】角錐の高さと体積|三平方の定理で求める【中3数学】【必須】

角錐かくすい体積たいせきを求める問題で、「高さがわからない」と手が止まった経験はないだろうか。

底面の形や斜辺しゃへんの長さは与えられているのに、肝心の高さが書いていない。公式は知っているのに使えない——そんなもどかしさを感じている人は多い。

実は、角錐の高さは三平方さんぺいほう定理ていりを使えば必ず求められる。この記事では、高さを求める手順と体積計算までを、図解とアニメーションで順を追って解説する。

対象:中学3年 所要時間:約12分
目次

そもそも角錐とは?

角錐とは、底面が多角形で、頂点ちょうてんが1つに集まっている立体である。底面が三角形なら三角錐さんかくすい、四角形なら四角錐しかくすいと呼ぶ。

「錐」という字は「きり(穴をあける道具)」を意味する。先がとがった形をしているから、この名前がついている。

角錐の体積を求める公式こうしきは次の通りである。

$$\text{角錐の体積} = \frac{1}{3} \times \text{底面積} \times \text{高さ}$$

角柱の体積が「底面積 × 高さ」であるのに対し、角錐は $\dfrac{1}{3}$ をかける。同じ底面と高さなら、角錐は角柱の3分の1の体積になる。

この公式を使うには、高さが必要である。しかし問題では、高さが直接与えられないことが多い。そこで三平方の定理を使う。

角錐の高さを図で理解する

四角錐を例に、高さがどこにあるかを確認しよう。

上の図で赤い線が「高さ $h$」である。高さとは、頂点Oから底面に垂直すいちょくに下ろした線の長さのことである。

底面が正方形や長方形の場合、高さの足H(垂線の足)は対角線の交点になる。底面が正三角形の場合は、重心の位置になる。

高さを求める手順

角錐の高さを求めるには、三平方の定理を使う。具体的な例題で手順を確認しよう。

例題

底面が1辺6cmの正方形、側面そくめんりょう(頂点から底面の頂点までの辺)の長さがすべて7cmである四角錐の高さと体積を求めよ。

稜とは、立体の辺のことである。この問題では、頂点Oから底面の各頂点A, B, C, Dまでの長さが全て7cmということである。

1

直角三角形を見つける

頂点O、高さの足H、底面の頂点Aを結ぶと、直角三角形OHAができる。

∠OHA = 90°(高さは底面に垂直)

2

AHの長さを求める

底面は1辺6cmの正方形なので、対角線ACの長さを求める。

$$\begin{aligned} AC &= \sqrt{6^2 + 6^2} \\[8pt] &= \sqrt{36 + 36} \\[8pt] &= \sqrt{72} \\[8pt] &= 6\sqrt{2} \text{ cm} \end{aligned}$$

Hは対角線の交点(中点)なので、

$$AH = \frac{AC}{2} = \frac{6\sqrt{2}}{2} = 3\sqrt{2} \text{ cm}$$
3

三平方の定理で高さを求める

直角三角形OHAにおいて、

  • OA = 7cm(稜の長さ)
  • AH = $3\sqrt{2}$ cm
  • OH = $h$(求める高さ)

三平方の定理より、

$$\begin{aligned} OA^2 &= OH^2 + AH^2 \\[8pt] 7^2 &= h^2 + (3\sqrt{2})^2 \\[8pt] 49 &= h^2 + 18 \\[8pt] h^2 &= 49 – 18 \\[8pt] h^2 &= 31 \\[8pt] h &= \sqrt{31} \text{ cm} \end{aligned}$$
4

体積を計算する

底面積は $6 \times 6 = 36$ cm²

$$\begin{aligned} \text{体積} &= \frac{1}{3} \times \text{底面積} \times \text{高さ} \\[8pt] &= \frac{1}{3} \times 36 \times \sqrt{31} \\[8pt] &= 12\sqrt{31} \text{ cm}^3 \end{aligned}$$

手順の整理

角錐の高さと体積を求める手順をまとめると、次のようになる。

1

高さの足の位置を確認する

正四角錐 → 対角線の交点

正三角錐 → 重心

2

「底面の頂点」「高さの足」「角錐の頂点」で直角三角形を作る

3

底面内の距離(AHなど)を計算する

対角線の長さや、重心までの距離を求める

4

三平方の定理で高さを求める

$(\text{稜})^2 = (\text{高さ})^2 + (\text{底面内の距離})^2$

5

体積の公式に代入する

$V = \dfrac{1}{3} \times \text{底面積} \times \text{高さ}$

よくある間違いと対策

角錐の高さを求める際に、多くの人がつまずくポイントを確認しておこう。

間違い①:稜の長さを高さだと思ってしまう

稜(OAなど)と高さ(OH)は違う。稜は斜めの辺であり、高さは底面に垂直な線である。

「高さ」という言葉が出てきたら、必ず「底面に垂直」であることを意識しよう。

間違い②:AHの長さを「底面の1辺÷2」と計算してしまう

AHは対角線ACの半分であって、底面の1辺の半分ではない。

1辺が $a$ の正方形の場合、

  • 対角線の長さ:$a\sqrt{2}$
  • AH(対角線の半分):$\dfrac{a\sqrt{2}}{2}$

間違い③:体積の公式で $\dfrac{1}{3}$ を忘れる

角柱は「底面積 × 高さ」だが、角錐は必ず $\dfrac{1}{3}$ をかける

「錐」がついたら $\dfrac{1}{3}$、「柱」なら $\dfrac{1}{3}$ は不要。この区別を覚えておこう。

この単元のよくある質問

Q. 高さの足Hが底面の中心にならない場合はあるか?

A. ある。底面が正多角形で、かつすべての稜の長さが等しい「正角錐」の場合のみ、Hは底面の中心になる。そうでない角錐では、Hの位置は問題文から読み取る必要がある。

Q. 三角錐のときは、どうやってAHの長さを求めるのか?

A. 底面が正三角形の場合、Hは重心の位置になる。正三角形の1辺を $a$ とすると、頂点から重心までの距離は $\dfrac{a}{\sqrt{3}} = \dfrac{a\sqrt{3}}{3}$ である。

Q. 体積の答えに√が残っても良いのか?

A. 良い。$12\sqrt{31}$ cm³ のように、ルートのままで答えることが多い。問題文に「小数で答えよ」などの指示がない限り、無理に計算する必要はない。

練習問題

問1. 底面が1辺4cmの正方形、すべての稜の長さが6cmである四角錐の高さと体積を求めよ。
問2. 底面が1辺6cmの正三角形、すべての稜の長さが6cmである三角錐(正四面体)の高さと体積を求めよ。
問3. 底面が1辺8cmの正方形、高さが9cmである四角錐の体積を求めよ。

まとめ

この記事では、角錐の高さを三平方の定理で求め、体積を計算する方法を学んだ。ポイントは以下の通りである。

  • 角錐の体積 = $\dfrac{1}{3}$ × 底面積 × 高さ
  • 高さを求めるには、「頂点」「高さの足」「底面の頂点」で直角三角形を作る
  • 底面内の距離(対角線の半分など)を正しく求めることが重要
  • 「錐」がついたら必ず $\dfrac{1}{3}$ をかける

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