直方体の対角線の長さを求める問題で、「どの三角形を使えばいいかわからない」と手が止まってしまうことはないだろうか。
公式を暗記しようとしても、縦・横・高さのどれをどこに代入するのか混乱する。そもそも、なぜ三平方の定理を2回使うのかがピンとこない。
実は、直方体の対角線は「底面の対角線→空間の対角線」という2段階で考えるだけである。この記事では、図解とアニメーションで手順を視覚化し、迷わず解けるようになるまで解説する。
そもそも直方体の対角線とは?
直方体とは、6つの面がすべて長方形でできた立体のことである。身近なものでいえば、ティッシュの箱や段ボール箱がこれにあたる。
対角線とは、向かい合う2つの頂点を結ぶ線分のことである。直方体には、面の対角線と空間の対角線の2種類がある。
この記事で扱うのは「空間の対角線」である。直方体の中を斜めに貫く線で、最も遠い2点を結んでいる。
具体例を見てみよう。縦3cm、横4cm、高さ5cmの直方体があったとする。この対角線の長さは $5\sqrt{2}$ cm(約7.07cm)になる。なぜこの値になるのか、順を追って確認していこう。
直方体の対角線を図で理解する
対角線の長さを求めるには、三平方の定理を2回使う。なぜ2回なのか、アニメーションで確認しよう。
アニメーションの説明:
- まず、底面の三角形ABCに注目する。ABとBCが直角に交わるので、三平方の定理でACの長さが求まる。
- 次に、ACを底辺、CGを高さとする三角形ACGを考える。この三角形も直角三角形である。
- 最後に、もう一度三平方の定理を使って、AGの長さを求める。
ポイント:直方体の対角線は「底面の対角線」と「高さ」を2辺とする直角三角形の斜辺になっている。
直方体の対角線を求める手順
縦 $a$、横 $b$、高さ $c$ の直方体の対角線の長さを求める手順を確認しよう。
底面は縦 $a$、横 $b$ の長方形である。対角線を $d$ とすると、三平方の定理より
よって $d = \sqrt{a^2 + b^2}$
底面の対角線 $d$ と高さ $c$ を2辺とする直角三角形を考える。空間の対角線を $l$ とすると
$d^2 = a^2 + b^2$ を代入すると
直方体の対角線の長さ $l$ は
この公式は「三平方の定理を2回使った結果」である。丸暗記するより、手順を理解しておくと応用がきく。
例題:具体的な数値で計算してみよう
例題:縦3cm、横4cm、高さ5cmの直方体の対角線の長さを求めよ。
底面の対角線は5cmである。
対角線の長さは $5\sqrt{2}$ cm
根号の中を簡単にすることを忘れずに。$\sqrt{50} = \sqrt{25 \times 2} = 5\sqrt{2}$ のように、平方数で割れないか確認しよう。
立方体の対角線は特別な形になる
立方体は、すべての辺の長さが等しい直方体である。1辺を $a$ とすると、対角線の長さはどうなるだろうか。
立方体の対角線 $= a\sqrt{3}$($a$ は1辺の長さ)
この公式は覚えておくと便利である。例えば、1辺が2cmの立方体の対角線は $2\sqrt{3}$ cmとすぐにわかる。
よくある間違いと対策
いきなり3辺の2乗を足して終わりにしてしまう間違い。計算結果は同じだが、なぜその式になるのか理解していないと、類似問題で応用がきかない。
対策:「底面→空間」の2段階を意識する。
$\sqrt{50}$ のまま答えにしてしまう間違い。
対策:根号の中を素因数分解し、平方数をくくり出す習慣をつける。
$l = a\sqrt{3}$ は立方体(全辺が等しい)専用である。3辺の長さが異なる直方体では使えない。
対策:問題文で「立方体」か「直方体」かを必ず確認する。
この単元のよくある質問
Q. なぜ三平方の定理を2回使うのですか?
A. 直方体の対角線は、底面の対角線と高さを2辺とする直角三角形の斜辺になっているからである。まず底面の対角線を求め(1回目)、それを使って空間の対角線を求める(2回目)という流れになる。
Q. 公式 $l = \sqrt{a^2 + b^2 + c^2}$ だけ覚えればいいですか?
A. 公式を覚えるだけでも計算はできるが、導き方を理解しておくと応用問題にも対応できる。特に「なぜ2乗して足すのか」を図で説明できるようになると、類似問題で迷わなくなる。
Q. 答えが根号のままになっても正解ですか?
A. はい、正解である。ただし、$\sqrt{50}$ のように根号の中を簡単にできる場合は $5\sqrt{2}$ と書く必要がある。問題で「小数で答えよ」と指定されている場合のみ、電卓などで計算する。
練習問題
まとめ
この記事では、直方体の対角線の求め方について学んだ。ポイントは以下の通りである。
- 直方体の対角線は「底面の対角線→空間の対角線」の2段階で求める
- 公式は $l = \sqrt{a^2 + b^2 + c^2}$($a, b, c$ は3辺の長さ)
- 立方体の場合は $l = a\sqrt{3}$ と簡単になる
- 根号の中は必ず簡単にする
Core-dorill— 基礎を、何度でも。

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