MENU
図やアニメーションが崩れている場合はご連絡ください。

【空間図形】直方体の対角線|三平方の定理の応用【中3数学】【必須】

直方体の対角線の長さを求める問題で、「どの三角形を使えばいいかわからない」と手が止まってしまうことはないだろうか。

公式を暗記しようとしても、縦・横・高さのどれをどこに代入するのか混乱する。そもそも、なぜ三平方の定理を2回使うのかがピンとこない。

実は、直方体の対角線は「底面の対角線→空間の対角線」という2段階で考えるだけである。この記事では、図解とアニメーションで手順を視覚化し、迷わず解けるようになるまで解説する。

対象:中学3年 所要時間:約8分
目次

そもそも直方体の対角線とは?

直方体ちょくほうたいとは、6つの面がすべて長方形でできた立体のことである。身近なものでいえば、ティッシュの箱や段ボール箱がこれにあたる。

対角線たいかくせんとは、向かい合う2つの頂点ちょうてんを結ぶ線分のことである。直方体には、面の対角線と空間の対角線の2種類がある。

この記事で扱うのは「空間の対角線」である。直方体の中を斜めに貫く線で、最も遠い2点を結んでいる。

具体例を見てみよう。縦3cm、横4cm、高さ5cmの直方体があったとする。この対角線の長さは $5\sqrt{2}$ cm(約7.07cm)になる。なぜこの値になるのか、順を追って確認していこう。

直方体の対角線を図で理解する

対角線の長さを求めるには、三平方の定理ていりを2回使う。なぜ2回なのか、アニメーションで確認しよう。

アニメーションの説明:

  • まず、底面の三角形ABCに注目する。ABとBCが直角に交わるので、三平方の定理でACの長さが求まる。
  • 次に、ACを底辺、CGを高さとする三角形ACGを考える。この三角形も直角三角形である。
  • 最後に、もう一度三平方の定理を使って、AGの長さを求める。

ポイント:直方体の対角線は「底面の対角線」と「高さ」を2辺とする直角三角形の斜辺しゃへんになっている。

直方体の対角線を求める手順

縦 $a$、横 $b$、高さ $c$ の直方体の対角線の長さを求める手順を確認しよう。

1 底面の対角線を求める

底面は縦 $a$、横 $b$ の長方形である。対角線を $d$ とすると、三平方の定理より

$$d^2 = a^2 + b^2$$

よって $d = \sqrt{a^2 + b^2}$

2 空間の対角線を求める

底面の対角線 $d$ と高さ $c$ を2辺とする直角三角形を考える。空間の対角線を $l$ とすると

$$l^2 = d^2 + c^2$$

$d^2 = a^2 + b^2$ を代入すると

$$l^2 = a^2 + b^2 + c^2$$
3 公式として整理する

直方体の対角線の長さ $l$ は

$$l = \sqrt{a^2 + b^2 + c^2}$$

この公式は「三平方の定理を2回使った結果」である。丸暗記するより、手順を理解しておくと応用がきく。

例題:具体的な数値で計算してみよう

例題:縦3cm、横4cm、高さ5cmの直方体の対角線の長さを求めよ。

1 底面の対角線を求める
$$\begin{aligned} d^2 &= 3^2 + 4^2 \\[8pt] &= 9 + 16 \\[8pt] &= 25 \\[8pt] d &= 5 \end{aligned}$$

底面の対角線は5cmである。

2 空間の対角線を求める
$$\begin{aligned} l^2 &= d^2 + c^2 \\[8pt] &= 5^2 + 5^2 \\[8pt] &= 25 + 25 \\[8pt] &= 50 \\[8pt] l &= \sqrt{50} \\[8pt] &= \sqrt{25 \times 2} \\[8pt] &= 5\sqrt{2} \end{aligned}$$
3 答え

対角線の長さは $5\sqrt{2}$ cm

根号こんごうの中を簡単にすることを忘れずに。$\sqrt{50} = \sqrt{25 \times 2} = 5\sqrt{2}$ のように、平方数で割れないか確認しよう。

立方体の対角線は特別な形になる

立方体りっぽうたいは、すべての辺の長さが等しい直方体である。1辺を $a$ とすると、対角線の長さはどうなるだろうか。

$$\begin{aligned} l &= \sqrt{a^2 + a^2 + a^2} \\[8pt] &= \sqrt{3a^2} \\[8pt] &= \sqrt{3} \cdot a \\[8pt] &= a\sqrt{3} \end{aligned}$$

立方体の対角線 $= a\sqrt{3}$($a$ は1辺の長さ)

この公式は覚えておくと便利である。例えば、1辺が2cmの立方体の対角線は $2\sqrt{3}$ cmとすぐにわかる。

よくある間違いと対策

1 底面の対角線を求め忘れる

いきなり3辺の2乗を足して終わりにしてしまう間違い。計算結果は同じだが、なぜその式になるのか理解していないと、類似問題で応用がきかない。

対策:「底面→空間」の2段階を意識する。

2 根号の簡略化を忘れる

$\sqrt{50}$ のまま答えにしてしまう間違い。

対策:根号の中を素因数分解し、平方数をくくり出す習慣をつける。

3 立方体の公式を直方体に使ってしまう

$l = a\sqrt{3}$ は立方体(全辺が等しい)専用である。3辺の長さが異なる直方体では使えない。

対策:問題文で「立方体」か「直方体」かを必ず確認する。

この単元のよくある質問

Q. なぜ三平方の定理を2回使うのですか?

A. 直方体の対角線は、底面の対角線と高さを2辺とする直角三角形の斜辺になっているからである。まず底面の対角線を求め(1回目)、それを使って空間の対角線を求める(2回目)という流れになる。

Q. 公式 $l = \sqrt{a^2 + b^2 + c^2}$ だけ覚えればいいですか?

A. 公式を覚えるだけでも計算はできるが、導き方を理解しておくと応用問題にも対応できる。特に「なぜ2乗して足すのか」を図で説明できるようになると、類似問題で迷わなくなる。

Q. 答えが根号のままになっても正解ですか?

A. はい、正解である。ただし、$\sqrt{50}$ のように根号の中を簡単にできる場合は $5\sqrt{2}$ と書く必要がある。問題で「小数で答えよ」と指定されている場合のみ、電卓などで計算する。

練習問題

問1. 縦2cm、横3cm、高さ6cmの直方体の対角線の長さを求めよ。
問2. 1辺が4cmの立方体の対角線の長さを求めよ。
問3. 縦1cm、横2cm、高さ2cmの直方体の対角線の長さを求めよ。

まとめ

この記事では、直方体の対角線の求め方について学んだ。ポイントは以下の通りである。

  • 直方体の対角線は「底面の対角線→空間の対角線」の2段階で求める
  • 公式は $l = \sqrt{a^2 + b^2 + c^2}$($a, b, c$ は3辺の長さ)
  • 立方体の場合は $l = a\sqrt{3}$ と簡単になる
  • 根号の中は必ず簡単にする

Core-dorill— 基礎を、何度でも。

コメント

コメントする

目次