「正多面体は全部で5種類」と習ったとき、「なぜ5種類だけなのか」と疑問に思ったことはないだろうか。
立方体(サイコロの形)は知っているけれど、他の4つはイメージがわかない。名前を聞いても、どんな形か思い浮かばない。そんな状態でテストを迎えると、正多面体の問題で手が止まってしまう。
実は、正多面体の理解でつまずく原因は「形を見たことがない」というシンプルなものである。この記事では、5種類の正多面体を図解とアニメーションで確認し、それぞれの特徴を覚えられるようになるまで解説する。
そもそも正多面体とは?
正多面体とは、次の2つの条件を両方とも満たす立体のことである。
すべての面が同じ正多角形でできている
どの頂点にも同じ数の面が集まっている
正多角形とは、すべての辺の長さが等しく、すべての角の大きさも等しい多角形のことである。正三角形、正方形、正五角形などがこれにあたる。
例えば、サイコロ(立方体)を思い浮かべてみよう。
- すべての面が「正方形」という同じ形である → 条件1を満たす
- どの頂点にも「3つの面」が集まっている → 条件2を満たす
だから、立方体は正多面体である。
5種類の正多面体を覚えよう
正多面体は、世界中どこを探しても5種類しか存在しない。これは数学的に証明されている事実である。
| 名前 | 面の形 | 面の数 | 頂点の数 | 辺の数 |
|---|---|---|---|---|
| 正四面体 | 正三角形 | 4 | 4 | 6 |
| 正六面体(立方体) | 正方形 | 6 | 8 | 12 |
| 正八面体 | 正三角形 | 8 | 6 | 12 |
| 正十二面体 | 正五角形 | 12 | 20 | 30 |
| 正二十面体 | 正三角形 | 20 | 12 | 30 |
名前の「○面体」の○は、面の数を表している。正四面体は面が4つ、正六面体は面が6つ、というように覚えると忘れにくい。
正多面体を図で見てみよう
それぞれの正多面体がどんな形か、回転する図で確認しよう。「再生」ボタンを押すと、立体が回転してさまざまな角度から見ることができる。
正四面体(面の数:4)
正四面体は、4つの正三角形でできた立体である。どの頂点にも3つの面が集まっている。ピラミッドのような形だが、底面も正三角形であることがポイントである。
正六面体/立方体(面の数:6)
正六面体は、サイコロと同じ形である。6つの正方形でできており、どの頂点にも3つの面が集まっている。「立方体」という名前のほうがなじみがあるかもしれない。
正八面体(面の数:8)
正八面体は、8つの正三角形でできた立体である。上下にとがった形で、どの頂点にも4つの面が集まっている。正四面体を2つくっつけたような形に見えるが、実際には違う構造である。
正十二面体(面の数:12)
正十二面体は、12の正五角形でできた立体である。サッカーボールの白い部分(五角形)だけで作られた形をイメージするとわかりやすい。どの頂点にも3つの面が集まっている。
正二十面体(面の数:20)
正二十面体は、20の正三角形でできた立体である。5種類の中で最も面の数が多く、球に近い形をしている。どの頂点にも5つの面が集まっている。
なぜ5種類しかないのか?
正多面体が5種類だけなのには、数学的な理由がある。簡単に説明しよう。
頂点のまわりに集まる角度の合計は、360°より小さくなければならない。360°以上になると、平らになったり、立体として閉じなくなったりする。
1つの角は $60°$
- 3枚集まると:$60° \times 3 = 180°$ → 正四面体になる
- 4枚集まると:$60° \times 4 = 240°$ → 正八面体になる
- 5枚集まると:$60° \times 5 = 300°$ → 正二十面体になる
- 6枚集まると:$60° \times 6 = 360°$ → 平らになって立体にならない
1つの角は $90°$
- 3枚集まると:$90° \times 3 = 270°$ → 正六面体(立方体)になる
- 4枚集まると:$90° \times 4 = 360°$ → 平らになって立体にならない
1つの角は $108°$
- 3枚集まると:$108° \times 3 = 324°$ → 正十二面体になる
- 4枚集まると:$108° \times 4 = 432°$ → 360°を超えて立体にならない
1つの角は $120°$ 以上
- 3枚集まると:$120° \times 3 = 360°$ 以上 → 立体にならない
このように、条件を満たす組み合わせは5通りしかない。だから正多面体は5種類なのである。
覚え方のコツ
5種類の正多面体を覚えるために、いくつかのポイントを整理しよう。
面の形で分類する
- 正三角形でできている:正四面体、正八面体、正二十面体(4, 8, 20)
- 正方形でできている:正六面体(6)
- 正五角形でできている:正十二面体(12)
面の数と頂点の数の関係
正六面体と正八面体は「双対」の関係にある。つまり、正六面体の面の数(6)と正八面体の頂点の数(6)が同じで、逆もまた同じである。
同様に、正十二面体と正二十面体も双対の関係にある。
オイラーの多面体定理を使う
頂点の数 $V$、辺の数 $E$、面の数 $F$ の間には、次の関係が成り立つ。
例えば立方体なら:$8 – 12 + 6 = 2$ となる。
オイラーの多面体定理は、すべての凸多面体で成り立つ。テストで頂点・辺・面の数を確認するときに使える。
よくある間違いと対策
「正○面体」の○を面の形と混同する
「正六面体」と聞くと「正六角形でできている」と思いがちだが、これは間違いである。「六面体」は面の数が6つという意味であり、実際には正方形でできている。
ピラミッドを正四面体と思う
エジプトのピラミッドは底面が正方形なので、正四面体ではない。正四面体は底面も含めて4つの面すべてが正三角形である。
頂点に集まる面の数を忘れる
正多面体の条件は「同じ正多角形でできている」だけでなく「どの頂点にも同じ数の面が集まる」も必要である。この2つ目の条件を忘れやすい。
このトピックのよくある質問
Q. 正多面体とただの多面体は何が違うのか?
A. 正多面体は「すべての面が同じ正多角形」かつ「どの頂点にも同じ数の面が集まる」という2つの条件を満たす多面体である。ただの多面体にはこの制限がなく、さまざまな形の面や、頂点ごとに異なる数の面が集まってもよい。
Q. なぜ正多面体は5種類しかないのか?
A. 頂点のまわりに集まる角度の合計が360°より小さくなければ立体にならないという制限があるためである。正三角形・正方形・正五角形を使って条件を満たす組み合わせを調べると、5通りしか存在しないことが証明できる。
Q. 正多面体は日常生活のどこで見られるか?
A. 正六面体(立方体)はサイコロや箱でおなじみである。正二十面体は一部のサイコロ(20面ダイス)に使われている。また、サッカーボールは正多面体ではないが、正五角形と正六角形を組み合わせた「切頂二十面体」という形をしている。
練習問題
- ア:すべての面が正三角形で、頂点が5つある三角錐
- イ:すべての面が正方形で、頂点が8つある立方体
- ウ:12の正五角形でできた立体
まとめ
この記事では、正多面体について学んだ。ポイントは以下の通りである。
- 正多面体とは「すべての面が同じ正多角形」かつ「どの頂点にも同じ数の面が集まる」立体である
- 正多面体は5種類だけ存在する:正四面体、正六面体、正八面体、正十二面体、正二十面体
- 正三角形でできた正多面体は3種類(4面体、8面体、20面体)ある
- オイラーの多面体定理 $V – E + F = 2$ を使うと、頂点・辺・面の数を確認できる
Core-dorill— 基礎を、何度でも。

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