「多面体」という言葉を聞いて、何か難しいものを想像していないだろうか。
「面の数とか、辺の数とか、覚えることが多くて混乱する」「サイコロは知ってるけど、それ以外の立体がよくわからない」——そんな声をよく耳にする。
実は、多面体には驚くほどシンプルな法則がある。この記事では、面・辺・頂点の数え方と、それらを結ぶ魔法のような公式を、図とアニメーションでひとつずつ確認していく。
そもそも多面体とは?
多面体とは、平らな面だけで囲まれた立体のことである。
「多」は「たくさん」という意味である。つまり「たくさんの平らな面を持つ立体」ということだ。
身近な例で考えてみよう。
- サイコロ:6つの正方形の面で囲まれている → 多面体
- ピラミッド:4つの三角形と1つの四角形の面で囲まれている → 多面体
- サッカーボール:曲面がある → 多面体ではない
- 円柱:側面が曲面 → 多面体ではない
ポイントは「平らな面だけ」という点である。曲がった面が1つでもあれば、多面体とは呼ばない。
多面体の3つの要素:面・辺・頂点
多面体を理解するには、次の3つの要素を正確に知る必要がある。
面:立体を囲んでいる平らな部分
サイコロなら、数字が書いてある正方形の部分が「面」である。
辺:面と面が出会うところ(直線の部分)
サイコロの角にある線が「辺」である。面の境界線とも言える。
頂点:辺と辺が出会う点
サイコロの角(とがった部分)が「頂点」である。
多面体を図で理解する
言葉だけでは分かりにくいので、実際に見てみよう。下のアニメーションでは、立方体(サイコロの形)の面・辺・頂点をひとつずつ確認できる。
立方体の場合:
- 面の数:6
- 辺の数:12
- 頂点の数:8
代表的な多面体と面・辺・頂点の数
多面体にはさまざまな種類がある。代表的なものを表にまとめた。
| 多面体の名前 | 面の形 | 面の数(F) | 辺の数(E) | 頂点の数(V) |
|---|---|---|---|---|
| 四面体 | 三角形 | 4 | 6 | 4 |
| 立方体(六面体) | 正方形 | 6 | 12 | 8 |
| 八面体 | 三角形 | 8 | 12 | 6 |
| 三角柱 | 三角形+長方形 | 5 | 9 | 6 |
| 四角錐 | 三角形+正方形 | 5 | 8 | 5 |
オイラーの多面体公式
ここで驚くべき法則を紹介しよう。上の表をよく見てほしい。
どの多面体でも、次の計算をすると必ず同じ答えになる。
V は Vertex(頂点)、E は Edge(辺)、F は Face(面)の頭文字である。
これをオイラーの多面体公式と呼ぶ。
本当にそうなるか、確かめてみよう。
立方体の場合
四面体の場合
三角柱の場合
どれも答えが2になる。これは偶然ではなく、すべての多面体に成り立つ法則である。
オイラーの公式を図で理解する
なぜこの公式が成り立つのか、直感的に理解してみよう。
オイラーの公式の使い方
この公式は、面・辺・頂点のうち2つがわかれば、残り1つを求められるという点で便利である。
ある多面体は、面が10個、頂点が16個ある。辺の数を求めよ。
解き方:オイラーの公式に代入する。
答え:辺の数は 24本
面・辺・頂点を数えるコツ
実際に多面体の面・辺・頂点を数えるとき、間違えやすいポイントがある。
面を数えるとき:見えない面も忘れずに
立方体を正面から見ると4面しか見えないが、実際は6面ある。底面を忘れがちなので注意。
辺を数えるとき:同じ辺を2回数えない
1つの辺は2つの面の境界線である。面ごとに辺を数えると、同じ辺を2回数えてしまう。
頂点を数えるとき:隠れた頂点に注意
立体を見る角度によっては、重なって見えない頂点がある。展開図をイメージすると数えやすい。
よくある質問と答え
Q. 球は多面体ですか?
A. いいえ、球は多面体ではありません。多面体は「平らな面だけで囲まれた立体」であり、球の表面は曲面なので多面体の定義に当てはまりません。
Q. オイラーの公式はどんな多面体でも成り立ちますか?
A. 穴が開いていない(トーラス型でない)普通の多面体なら成り立ちます。中学で学ぶ多面体はすべてこの公式が使えます。
Q. 面の数が一番少ない多面体は何ですか?
A. 四面体です。4つの三角形で囲まれた立体で、これより面が少ない多面体は存在しません。3面では立体を囲むことができないためです。
練習問題
(ア)円柱 (イ)三角柱 (ウ)球 (エ)四角錐 (オ)円錐
まとめ
この記事では、多面体の基本について学んだ。ポイントは以下の通りである。
- 多面体とは、平らな面だけで囲まれた立体のこと
- 多面体は面・辺・頂点の3つの要素で構成される
- オイラーの公式:$V – E + F = 2$ がすべての多面体で成り立つ
- 面・辺・頂点のうち2つがわかれば、残り1つを求められる
Core-dorill— 基礎を、何度でも。

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