MENU
図やアニメーションが崩れている場合はご連絡ください。

【平面図形】三平方の定理と円|弦の長さ・接線の長さ【中3数学】【応用】

「円と三平方の定理を組み合わせろ」と言われても、どこに直角三角形を作ればいいかわからない。そんな経験はないだろうか。

円の問題でげんの長さや接線せっせんの長さを求めるとき、多くの人が「図のどこを見ればいいのか」で迷ってしまう。公式を暗記しても、実際の問題では使いどころがわからないのである。

実は、円の問題には「ここに補助線を引けば直角三角形ができる」という決まったパターンがある。この記事では、弦と接線それぞれについて、補助線の引き方から三平方の定理の使い方まで、図解とアニメーションで順を追って解説する。

対象:中学3年 所要時間:約12分
目次

そもそも弦・接線と三平方の定理の関係とは?

まず、げん接線せっせんの定義を確認しよう。

げんとは、円周上の2点を結ぶ線分のことである。円の内側を通る直線の「切り取られた部分」と考えてもよい。

接線せっせんとは、円とちょうど1点だけで交わる直線のことである。その交わる点を接点せってんという。

では、なぜこれらの問題で三平方の定理さんへいほうのていりを使うのか。それは、次の2つの性質が「直角」を生み出すからである。

場面性質直角の位置
弦の垂直二等分線すいちょくにとうぶんせんは中心を通る弦と垂直二等分線の交点
接線接線は接点を通る半径はんけいと垂直接点

この「直角」があるおかげで、直角三角形を作ることができ、三平方の定理が使えるのである。

弦の長さを求める方法を図で理解する

弦の長さを求めるときの基本図形を見てみよう。中心Oから弦ABに垂線を下ろすと、その垂線は弦を二等分する。

図のポイントを整理しよう。

  • 中心Oから弦ABに垂線すいせんOMを下ろす
  • Mは弦ABの中点になる(垂直二等分線の性質)
  • 直角三角形OAMができる
  • OA = 半径 $r$、OM = 中心から弦までの距離 $h$、AM = 弦の半分 $\dfrac{a}{2}$

この直角三角形に三平方の定理を適用すると、次の関係が成り立つ。

$$r^2 = h^2 + \left(\frac{a}{2}\right)^2$$

これを変形すると、弦の長さ $a$ は次のように求められる。

$$a = 2\sqrt{r^2 – h^2}$$

弦の長さを求める手順

1

中心Oから弦に垂線を引き、垂線の足をMとする。

2

中心Oと弦の端点Aを結び、直角三角形OAMを作る。

3

三平方の定理より $r^2 = h^2 + \text{AM}^2$ を立てる。

4

AMを求め、弦の長さ $= 2 \times \text{AM}$ で計算する。

【例題1】弦の長さを求める

半径 $10$ cmの円で、中心から弦までの距離が $6$ cmのとき、弦の長さを求めよ。

【解答】

中心Oから弦ABに垂線OMを引く。Mは弦の中点である。

直角三角形OAMで三平方の定理を使う。

$$\begin{aligned} \text{OA}^2 &= \text{OM}^2 + \text{AM}^2 \\[8pt] 10^2 &= 6^2 + \text{AM}^2 \\[8pt] 100 &= 36 + \text{AM}^2 \\[8pt] \text{AM}^2 &= 100 – 36 \\[8pt] \text{AM}^2 &= 64 \\[8pt] \text{AM} &= 8 \text{ cm} \end{aligned}$$

弦ABの長さは、AMの2倍なので

$$\text{AB} = 2 \times 8 = 16 \text{ cm}$$

「半径」「中心からの距離」「弦の半分」の3つで直角三角形を作るのがポイントである。

接線の長さを求める方法を図で理解する

次に、接線の長さについて考えよう。円の外部の点Pから円に接線を引くとき、接点をTとすると、PT の長さを「接線の長さ」という。

図のポイントを整理しよう。

  • 接線PTは接点Tで半径OTと垂直すいちょくに交わる
  • したがって、直角三角形OTPができる
  • OT = 半径 $r$、OP = 中心から点Pまでの距離 $d$、PT = 接線の長さ $\ell$

この直角三角形に三平方の定理を適用すると、次の関係が成り立つ。

$$d^2 = r^2 + \ell^2$$

これを変形すると、接線の長さ $\ell$ は次のように求められる。

$$\ell = \sqrt{d^2 – r^2}$$

接線の長さを求める手順

1

中心Oと接点Tを結ぶ(半径OT)。

2

中心Oと外部の点Pを結ぶ。

3

接点Tで直角ができることを確認し、直角三角形OTPを作る。

4

三平方の定理より $\text{OP}^2 = \text{OT}^2 + \text{PT}^2$ を立てて解く。

【例題2】接線の長さを求める

半径 $5$ cmの円がある。円の中心Oから $13$ cm離れた点Pから円に接線を引く。接線の長さを求めよ。

【解答】

接点Tで接線PTと半径OTは垂直に交わる。

直角三角形OTPで三平方の定理を使う。

$$\begin{aligned} \text{OP}^2 &= \text{OT}^2 + \text{PT}^2 \\[8pt] 13^2 &= 5^2 + \text{PT}^2 \\[8pt] 169 &= 25 + \text{PT}^2 \\[8pt] \text{PT}^2 &= 169 – 25 \\[8pt] \text{PT}^2 &= 144 \\[8pt] \text{PT} &= 12 \text{ cm} \end{aligned}$$

接線の問題では「13, 5, 12」のような三平方の定理でよく出る数の組み合わせが頻出である。$5^2 + 12^2 = 13^2$ を覚えておくと計算が速くなる。

弦と接線の比較

2つのパターンの違いを表で整理しよう。

項目弦の長さ接線の長さ
直角の位置弦と垂線の交点M接点T
直角を作る性質弦の垂直二等分線は中心を通る接線は半径と垂直
直角三角形△OAM(Oは中心、Aは弦の端点)△OTP(Pは外部の点)
求める辺AMの2倍が弦の長さPTが接線の長さ
公式$a = 2\sqrt{r^2 – h^2}$$\ell = \sqrt{d^2 – r^2}$

よくある間違いと対策

1

弦の長さを半分にし忘れる

中心から弦への垂線は弦を「二等分」する。求めたAMは弦の半分なので、最後に2倍することを忘れずに。

2

直角の位置を間違える

弦では「垂線の足M」、接線では「接点T」が直角の位置である。図に直角マークを書き込む習慣をつけよう。

3

三平方の定理の式で辺を入れ替える

「斜辺の2乗 = 他の2辺の2乗の和」である。どれが斜辺(直角の向かい側の辺)かを必ず確認しよう。

この単元のよくある質問

Q. 弦の問題で、なぜ中心から垂線を引くのですか?

A. 「弦の垂直二等分線は円の中心を通る」という性質があるからです。中心から弦に垂線を下ろすと、その垂線は弦をちょうど半分に分けます。これにより直角三角形ができ、三平方の定理が使えるようになります。

Q. 接線の問題で、どこに直角ができるのですか?

A. 接点です。接線は、接点を通る半径と必ず垂直に交わります。したがって、「中心O・接点T・外部の点P」を結ぶと、接点Tで直角になる直角三角形ができます。

Q. 外部の点から2本の接線を引いたとき、2本の長さは等しいですか?

A. はい、等しいです。外部の点Pから円に2本の接線を引くと、それぞれの接線の長さ(Pから接点までの距離)は同じになります。これは「接線の長さの定理」と呼ばれ、証明には合同を使います。

練習問題

問1. 半径 $13$ cmの円で、中心から弦までの距離が $5$ cmのとき、弦の長さを求めよ。
問2. 半径 $6$ cmの円がある。円の中心から $10$ cm離れた点Pから円に接線を引く。接線の長さを求めよ。
問3. 半径 $8$ cmの円で、長さ $12$ cmの弦がある。中心から弦までの距離を求めよ。

まとめ

この記事では、円と三平方の定理を組み合わせて弦・接線の長さを求める方法を学んだ。ポイントは以下の通りである。

  • 弦の長さ:中心から弦に垂線を引くと、垂線の足で直角三角形ができる。弦は二等分されるので、求めた長さを2倍する。
  • 接線の長さ:接点で接線と半径が垂直に交わるので、直角三角形ができる。
  • 共通点:どちらも「円の性質から直角が生まれる」ことを利用して三平方の定理を使う。

補助線の引き方さえパターン化できれば、あとは三平方の定理を機械的に適用するだけである。繰り返し練習して、手順を体に染み込ませよう。

Core-dorill— 基礎を、何度でも。

コメント

コメントする

目次