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【平面図形】特別な直角三角形|45°-45°-90°と30°-60°-90°【中3数学】【必須】

「三平方の定理は使えるけど、計算に時間がかかりすぎる」——そんな悩みを抱えていないだろうか。

実は、直角三角形の中には「辺の比が決まっている」特別な形がある。この比を覚えていれば、計算なしで答えが出せるのだ。

この記事では、45°-45°-90°と30°-60°-90°の2つの直角三角形について、辺の比を「なぜそうなるのか」から理解し、使いこなせるようになるまで順を追って解説する。

対象:中学3年 所要時間:約12分
目次

特別な直角三角形とは

直角三角形の中には、角度が決まると辺の比も自動的に決まるものがある。これを特別とくべつな直角三角形と呼ぶ。

覚えるべきは、次の2つだけである。

角度 辺の比 別名
45°-45°-90° $1 : 1 : \sqrt{2}$ 直角二等辺三角形
30°-60°-90° $1 : 2 : \sqrt{3}$ 正三角形の半分

辺の比とは、3辺の長さの割合のことである。例えば $1 : 1 : \sqrt{2}$ なら、2辺が同じ長さで、残り1辺がその $\sqrt{2}$ 倍という意味だ。

この比を知っていると、三平方の定理を使わずに辺の長さが求められる。テストでの計算時間を大幅に短縮できるのだ。

45°-45°-90°の三角形を理解する

まず、45°-45°-90°の直角三角形から見ていこう。これは直角二等辺三角形ちょっかくにとうへんさんかくけいのことである。

なぜ $1 : 1 : \sqrt{2}$ になるのか

2つの角が45°で等しいため、それに向かい合う2辺も等しくなる。この2辺をそれぞれ $a$ とすると、三平方の定理より:

$$\begin{aligned} \text{斜辺}^2 &= a^2 + a^2 \\[8pt] &= 2a^2 \\[8pt] \text{斜辺} &= \sqrt{2a^2} = a\sqrt{2} \end{aligned}$$

つまり、2辺が $a$ なら斜辺しゃへんは $a\sqrt{2}$ となる。これを比で表すと $1 : 1 : \sqrt{2}$ である。

アニメーションでは、まず2つの角が45°であることを示し、次に等しい2辺にマークを付け、最後に辺の比 $1 : 1 : \sqrt{2}$ を表示している。

45°-45°-90°の使い方

辺の比 $1 : 1 : \sqrt{2}$ を使うと、1辺がわかれば他の辺もすぐ求まる。

1

等しい2辺(直角をはさむ辺)がわかっている場合

斜辺 $=$ その辺 $\times \sqrt{2}$

例:2辺が5cmなら、斜辺 $= 5\sqrt{2}$ cm

2

斜辺がわかっている場合

等しい2辺 $=$ 斜辺 $\div \sqrt{2} =$ 斜辺 $\times \dfrac{\sqrt{2}}{2}$

例:斜辺が $6\sqrt{2}$ cmなら、2辺 $= 6\sqrt{2} \times \dfrac{\sqrt{2}}{2} = 6$ cm

$\div \sqrt{2}$ は $\times \dfrac{\sqrt{2}}{2}$ と同じである。分母ぶんぼ有理化ゆうりかをしているだけだ。

30°-60°-90°の三角形を理解する

次に、30°-60°-90°の直角三角形を見ていこう。これは正三角形を半分に切った形である。

なぜ $1 : 2 : \sqrt{3}$ になるのか

正三角形の頂点ちょうてんから底辺ていへん垂線すいせんを下ろすと、三角形がちょうど半分に分かれる。

正三角形の1辺を $2a$ とすると、半分に切った三角形では:

  • 底辺(30°の向かい)= $a$(元の辺の半分)
  • 斜辺(60°の向かい)= $2a$(元の辺そのまま)
  • 高さ(90°の向かい)= 三平方の定理で計算
$$\begin{aligned} \text{高さ}^2 &= (2a)^2 – a^2 \\[8pt] &= 4a^2 – a^2 = 3a^2 \\[8pt] \text{高さ} &= \sqrt{3a^2} = a\sqrt{3} \end{aligned}$$

したがって、3辺は $a : 2a : a\sqrt{3}$、つまり $1 : 2 : \sqrt{3}$ となる。

比の順番に注意しよう。$1 : 2 : \sqrt{3}$ は「30°の向かい : 斜辺(最長) : 60°の向かい」の順である。$\sqrt{3} \approx 1.73$ なので、1 < $\sqrt{3}$ < 2 という大小関係になっている。

30°-60°-90°の使い方

1

30°の向かいの辺(最短)がわかっている場合

斜辺 $=$ その辺 $\times 2$

60°の向かい $=$ その辺 $\times \sqrt{3}$

2

斜辺(最長)がわかっている場合

30°の向かい $=$ 斜辺 $\div 2$

60°の向かい $=$ 斜辺 $\times \dfrac{\sqrt{3}}{2}$

3

60°の向かいの辺がわかっている場合

30°の向かい $=$ その辺 $\div \sqrt{3} =$ その辺 $\times \dfrac{\sqrt{3}}{3}$

斜辺 $=$ その辺 $\times \dfrac{2\sqrt{3}}{3}$

2つの比を覚えるコツ

辺の比を確実に覚えるためのポイントを紹介する。

覚え方のコツ

1

45°-45°-90°は「1:1から始まる」

2つの角が等しいから2辺も等しい。だから $1 : 1 : ?$ と始まる。残りは $\sqrt{2}$(三平方の定理から)。

2

30°-60°-90°は「1と2が入っている」

正三角形を「半分」に切るから、$1$ と $2$ が出てくる。残りは $\sqrt{3}$。

3

「√」は1種類だけ

どちらの三角形も、$\sqrt{}$ が付くのは1つの辺だけ。45°は $\sqrt{2}$、30°-60°は $\sqrt{3}$。

例題で確認しよう

例題1:45°-45°-90°

問題:直角二等辺三角形の斜辺が $8$ cm のとき、他の2辺の長さを求めよ。

$$\begin{aligned} \text{辺の比} &= 1 : 1 : \sqrt{2} \\[8pt] \text{斜辺 } 8 &= \sqrt{2} \text{ に対応} \\[8pt] 1 \text{ に対応する辺} &= \frac{8}{\sqrt{2}} \\[8pt] &= \frac{8}{\sqrt{2}} \times \frac{\sqrt{2}}{\sqrt{2}} \\[8pt] &= \frac{8\sqrt{2}}{2} = 4\sqrt{2} \text{ cm} \end{aligned}$$

答え:$4\sqrt{2}$ cm

例題2:30°-60°-90°

問題:30°-60°-90°の直角三角形で、30°の向かいの辺が $5$ cm のとき、他の2辺の長さを求めよ。

$$\begin{aligned} \text{辺の比} &= 1 : 2 : \sqrt{3} \\[8pt] \text{30°の向かい } 5 &= 1 \text{ に対応} \\[8pt] \text{斜辺} &= 5 \times 2 = 10 \text{ cm} \\[8pt] \text{60°の向かい} &= 5 \times \sqrt{3} = 5\sqrt{3} \text{ cm} \end{aligned}$$

答え:斜辺 $10$ cm、60°の向かいの辺 $5\sqrt{3}$ cm

よくある間違いと対策

1

比の順番を間違える

$1 : 2 : \sqrt{3}$ の順番を「30°の向かい : 斜辺 : 60°の向かい」と覚えよう。小さい角の向かいが小さい辺である。

2

$\sqrt{2}$ と $\sqrt{3}$ を取り違える

45°は $\sqrt{2}$(2つの45°)、60°は $\sqrt{3}$(60÷20=3)と語呂で覚える。

3

どの辺がどの角の向かいかわからない

必ず図を描き、角度を書き込んでから辺の長さを考える。向かい合う辺は、その角から最も遠い辺である。

この単元のよくある質問

Q. なぜこの2つの三角形だけ「特別」なのですか?

A. 他の直角三角形でも辺の比は決まるが、この2つは比に $\sqrt{2}$ や $\sqrt{3}$ という扱いやすい値が現れるため、暗記して使う価値がある。テストや入試で頻出するのも、計算しやすいからである。

Q. 三平方の定理を使えば解けるのに、なぜ比を覚える必要があるのですか?

A. 三平方の定理を使っても解けるが、計算に時間がかかる。比を覚えていれば、見た瞬間に答えが出せる。テストでは計算ミスを減らし、時間を節約できるため、覚えておく価値は大きい。

Q. $1 : 2 : \sqrt{3}$ の「2」はなぜ斜辺なのですか?1や√3ではないのですか?

A. 斜辺は直角の向かいにある辺で、直角三角形で最も長い。$\sqrt{3} \approx 1.73$ なので、1 < $\sqrt{3}$ < 2 となり、2が最大である。よって2が斜辺に対応する。

練習問題

問1. 直角二等辺三角形で、直角をはさむ2辺がそれぞれ $6$ cm のとき、斜辺の長さを求めよ。
問2. 30°-60°-90°の直角三角形で、斜辺が $12$ cm のとき、30°の向かいの辺と60°の向かいの辺の長さをそれぞれ求めよ。
問3. 30°-60°-90°の直角三角形で、60°の向かいの辺が $9\sqrt{3}$ cm のとき、斜辺の長さを求めよ。

まとめ

この記事では、特別な直角三角形の辺の比について学んだ。ポイントは以下の通りである。

  • 45°-45°-90°(直角二等辺三角形)の比は $1 : 1 : \sqrt{2}$
  • 30°-60°-90°(正三角形の半分)の比は $1 : 2 : \sqrt{3}$
  • 比を覚えれば、三平方の定理を使わず瞬時に辺の長さが求まる
  • 「小さい角の向かいに小さい辺」の原則を忘れない

これらの比は、三角比や三角関数でも使い続ける基本である。何度も練習して、見た瞬間に使えるようにしておこう。

Core-dorill— 基礎を、何度でも。

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