「三平方の定理は使えるけど、逆に直角三角形かどうかを判定する問題が苦手」という声をよく聞く。
公式を覚えているのに、どう使えばいいかわからない。3辺の長さが与えられても、どこが直角なのか見つけられない。そんな悩みを抱えていないだろうか。
実は、三平方の定理を「逆向き」に使うだけで、直角三角形かどうかは一発で判定できる。この記事では、その判定方法を順を追って解説する。
そもそも「三平方の定理の逆」とは?
まず、三平方の定理を確認しよう。
三平方の定理とは、直角三角形において「斜辺の2乗=他の2辺の2乗の和」が成り立つという法則である。
ここで、$c$ は斜辺(直角の向かい側にある、最も長い辺)である。
「三平方の定理の逆」とは、この関係を使って逆に考えることである。
つまり、3辺の長さがわかっていれば、計算だけで直角三角形かどうかを判定できる。
判定の手順を図で理解する
アニメーションでは、3辺の長さ $a = 4$、$b = 3$、$c = 5$ の三角形を判定している。
$3^2 + 4^2 = 25$ と $5^2 = 25$ が等しいので、この三角形は直角三角形であるとわかる。
直角三角形の判定手順
3辺の長さがわかっているとき、以下の手順で直角三角形かどうかを判定する。
最も長い辺を見つける
3辺のうち、最も長い辺を $c$ とする。これが直角三角形なら斜辺にあたる。
残り2辺の2乗の和を計算する
他の2辺を $a$、$b$ として、$a^2 + b^2$ を計算する。
最長辺の2乗と比較する
$c^2$ を計算し、$a^2 + b^2$ と比較する。
判定する
$a^2 + b^2 = c^2$ なら直角三角形である。
等しくなければ直角三角形ではない。
例題で手順を確認する
例題1:直角三角形の判定
3辺の長さが $5$ cm、$12$ cm、$13$ cm の三角形は直角三角形かどうか判定せよ。
【解答】
最も長い辺は $13$ cm なので、$c = 13$ とする。
残り2辺は $a = 5$、$b = 12$ である。
$a^2 + b^2$ を計算する。
$c^2$ を計算する。
比較する。
等しいので、この三角形は直角三角形である。
例題2:直角三角形ではない場合
3辺の長さが $4$ cm、$5$ cm、$7$ cm の三角形は直角三角形かどうか判定せよ。
【解答】
最も長い辺は $7$ cm なので、$c = 7$ とする。
残り2辺は $a = 4$、$b = 5$ である。
$a^2 + b^2$ を計算する。
$c^2$ を計算する。
比較する。
等しくないので、この三角形は直角三角形ではない。
覚えておきたい直角三角形の3辺の組
以下の辺の比は、よく出題される直角三角形の組である。覚えておくと判定が速くなる。
| 3辺の比 | 具体例 | 確認 |
|---|---|---|
| $3 : 4 : 5$ | $3, 4, 5$ や $6, 8, 10$ | $9 + 16 = 25$ |
| $5 : 12 : 13$ | $5, 12, 13$ | $25 + 144 = 169$ |
| $8 : 15 : 17$ | $8, 15, 17$ | $64 + 225 = 289$ |
| $1 : 1 : \sqrt{2}$ | $1, 1, \sqrt{2}$ | $1 + 1 = 2$ |
| $1 : \sqrt{3} : 2$ | $1, \sqrt{3}, 2$ | $1 + 3 = 4$ |
$3 : 4 : 5$ の比を持つ三角形は、どんな倍数でも直角三角形になる。例えば $6, 8, 10$ や $15, 20, 25$ も直角三角形である。
鋭角三角形・鈍角三角形の判定
三平方の定理の逆を応用すると、直角三角形かどうかだけでなく、鋭角三角形か鈍角三角形かも判定できる。
最も長い辺を $c$ としたとき、判定基準は以下のとおりである。
| 条件 | 三角形の種類 |
|---|---|
| $a^2 + b^2 > c^2$ | 鋭角三角形(すべての角が90°未満) |
| $a^2 + b^2 = c^2$ | 直角三角形(1つの角が90°) |
| $a^2 + b^2 < c^2$ | 鈍角三角形(1つの角が90°より大きい) |
鈍角とは、90°より大きく180°より小さい角のことである。鈍角三角形では、最も長い辺の向かい側に鈍角がある。
よくある質問と答え
Q. どの辺を $c$ にすればいいですか?
A. 必ず「最も長い辺」を $c$ にする。三平方の定理では $c$ は斜辺にあたるので、最長辺でなければならない。3辺の長さを比べて、一番大きい数を $c$ として計算しよう。
Q. 計算結果が等しくならない場合、何がわかりますか?
A. $a^2 + b^2 \neq c^2$ のとき、その三角形は直角三角形ではない。さらに、$a^2 + b^2 > c^2$ なら鋭角三角形、$a^2 + b^2 < c^2$ なら鈍角三角形と判定できる。
Q. ルートがついた辺の長さでも判定できますか?
A. できる。例えば $1, \sqrt{3}, 2$ の場合、$1^2 + (\sqrt{3})^2 = 1 + 3 = 4$ と $2^2 = 4$ を比べればよい。ルートの計算は $(\sqrt{3})^2 = 3$ のように、ルートの中身がそのまま答えになる。
練習問題
まとめ
この記事では、三平方の定理の逆を使った直角三角形の判定方法を学んだ。ポイントは以下の通りである。
- 3辺のうち、最も長い辺を $c$ とする
- $a^2 + b^2 = c^2$ が成り立てば直角三角形
- $a^2 + b^2 > c^2$ なら鋭角三角形、$a^2 + b^2 < c^2$ なら鈍角三角形
- $3:4:5$、$5:12:13$ などの比は覚えておくと便利
Core-dorill— 基礎を、何度でも。

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