「三角形の中点を結ぶと何が起こるか?」と聞かれて、すぐに答えられるだろうか。
図形の問題で「なぜか長さが半分になる」「なぜか平行になる」という場面に出会ったとき、その理由がわからず困った経験はないだろうか。実は、その背景には中点連結定理という便利な定理が隠れている。
この定理を知らないまま図形問題に挑むのは、地図を持たずに山を登るようなものである。この記事では、中点連結定理の意味と使い方を、図解とアニメーションで順を追って解説する。読み終えるころには、「中点を見たら、この定理を使う」と反射的に思い出せるようになるはずだ。
そもそも中点連結定理とは?
中点連結定理とは、三角形の2辺の中点を結んだ線分について成り立つ性質である。
言葉だけではわかりにくいので、具体的に見てみよう。
三角形ABCがあり、辺ABの中点をM、辺ACの中点をNとする。このとき、線分MNについて次の2つが成り立つ。
「中点」とは、線分をちょうど2等分する点のことである。辺ABの中点Mは、AM = MBとなる点のことだ。
「平行」とは、2つの直線がどこまで延ばしても交わらない関係のことである。記号では「//」で表す。
中点連結定理を図で理解する
中点連結定理がどのような性質なのか、アニメーションで確認しよう。
アニメーションで確認したように、中点MとNを結ぶ線分MNは、底辺BCと平行になり、長さはBCの半分になる。
なぜ中点連結定理が成り立つのか
中点連結定理がなぜ成り立つのか、相似を使って確認しよう。
証明の流れは以下の通りである。
「相似」とは、形が同じで大きさだけが違う関係のことである。相似な図形では、対応する角は等しく、対応する辺の比は一定である。
中点連結定理の使い方
中点連結定理を使う場面は、主に次の2つである。
パターン1:辺の長さを求める
BCの長さがわかっているとき、MNの長さを求める。
例題1:BC = 8 cmのとき、MNの長さを求めよ。
例題2:MN = 5 cmのとき、BCの長さを求めよ。
MN = $\dfrac{1}{2}$BCという関係から、BC = 2 × MNと変形できる。
パターン2:平行であることを示す
2点が中点であることがわかっているとき、線分が平行であることを言える。
例題3:三角形ABCにおいて、MがABの中点、NがACの中点であるとき、MN // BCを示せ。
中点連結定理より、三角形の2辺の中点を結ぶ線分は、残りの1辺に平行である。M、Nはそれぞれ辺AB、ACの中点なので、MN // BCである。
よくある質問と答え
Q. 中点連結定理は、どの辺の中点でも使えるの?
A. 三角形のどの2辺を選んでも使える。ABとACの中点、ABとBCの中点、ACとBCの中点、どの組み合わせでも成り立つ。ただし、選んだ2辺の中点を結んだ線分は、「残りの1辺」に平行になり、長さは「残りの1辺」の半分になる。
Q. 中点連結定理の逆は成り立つの?
A. 成り立つ。「三角形の1辺の中点を通り、他の1辺に平行な直線は、残りの1辺の中点を通る」という定理がある。これは中点連結定理の逆として証明問題でよく出題される。
Q. 四角形でも中点連結定理は使えるの?
A. 四角形の場合は「中点を結ぶと平行四辺形ができる」という定理がある。任意の四角形の4辺の中点を順に結ぶと、必ず平行四辺形になる。これも中点連結定理を2回使って証明できる。
よくある間違いと対策
中点を結んだ線分MNは、底辺BCの半分である。「中点だから半分」と覚えよう。
この定理は、あくまで「中点」を結んだ場合にのみ成り立つ。辺を3等分した点などには使えない。
中点M、Nを結ぶ線分MNが平行になるのは、「M、Nを含まない辺」である。今回の例では、MはAB上、NはAC上にあるので、MNは「BCに平行」となる。
練習問題
まとめ
この記事では、中点連結定理について学んだ。ポイントは以下の通りである。
- 三角形の2辺の中点を結ぶ線分は、残りの1辺に平行である
- その線分の長さは、残りの1辺の半分である
- 「中点を見たら、中点連結定理」と反射的に思い出せるようになろう
Core-dorill— 基礎を、何度でも。

コメント