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【平面図形】平行線と線分の比|比の性質【中3数学】【必須】

「線分の比を求めなさい」という問題で、どこの比をとればいいのか迷ったことはないだろうか。

平行線と線分の比の問題では、公式を覚えていても「どの線分がどの線分に対応するのか」がわからず、手が止まってしまう人が多い。これは、比の性質の基本パターンが整理できていないだけである。

この記事では、平行線があるときに成り立つ線分の比の性質を、図とアニメーションで視覚的に理解できるように解説する。読み終わるころには、どの問題でも迷わず比を立てられるようになっているはずだ。

対象:中学3年 所要時間:約12分
目次

そもそも「線分の比」とは?

線分せんぶんの比とは、2つの線分の長さの割合を表したものである。例えば、線分ABの長さが6cm、線分CDの長さが9cmのとき、AB:CDは $6:9$ となる。

とは、2つ以上の数量の割合を「:」で表したものである。$6:9$ は $2:3$ と同じ比であり、これを「比を簡単かんたんにする」という。

比を簡単にするには、両方の数を同じ数で割ればよい。

$$6:9 = 2:3$$

この例では、6と9をそれぞれ3で割っている。

平行線があると何が起こる?

ここからが本題である。三角形の1辺に平行へいこうな直線を引くと、他の2辺を決まった比で分ける。これが「平行線と線分の比」の基本である。

言葉だけではわかりにくいので、図で確認しよう。

上の図で、三角形ABCの辺BCに平行な直線DEを引いている。このとき、次の関係が成り立つ。

$$\text{DE} \parallel \text{BC} \quad \Rightarrow \quad \text{AD} : \text{DB} = \text{AE} : \text{EC}$$

$\parallel$ は「平行」を表す記号である。DE // BC は「DEとBCは平行である」という意味になる。

つまり、平行線が2辺を切るとき、それぞれの辺で分けられた線分の比は等しくなるのである。

比の性質①:等しい比

最も基本的な性質を確認しよう。平行線があるときに成り立つ「等しい比」のパターンである。

DE // BC のとき、次の比が等しくなる。

$$\text{AD} : \text{DB} = \text{AE} : \text{EC}$$

色分けで確認すると、青い線分どうし、緑の線分どうしが対応している。左辺でADが分子ならば、右辺でもAEが分子になる。

比の性質②:全体と部分の比

もう1つ重要な性質がある。全体の長さと部分の長さの比である。

DE // BC のとき、次の比も等しくなる。

$$\text{AD} : \text{AB} = \text{AE} : \text{AC}$$

ADは「Aから途中まで」、ABは「Aから端まで」である。つまり部分と全体の比が、両方の辺で等しくなる。

比の性質③:平行線の長さの比

さらにもう1つ。平行な線分どうしの長さも、同じ比になる。

DE // BC のとき、次の比も等しくなる。

$$\text{AD} : \text{AB} = \text{DE} : \text{BC}$$

これは部分と全体の比 = 短い平行線と長い平行線の比という関係である。

3つの性質をまとめて覚える

ここまで学んだ3つの性質を整理しよう。DE // BC のとき、次の3つの比がすべて等しくなる。

性質 等しい比
①等しい比 AD : DB = AE : EC
②全体と部分 AD : AB = AE : AC
③平行線の比 AD : AB = DE : BC

①から③を組み合わせると、さらに多くの等式が導ける。例えば、①と②から次のことがわかる。

$$\text{AD} : \text{DB} = \text{AE} : \text{EC} = \text{DE} : \text{BC}$$

これらの性質は相似そうじの考え方から導かれる。DE // BC のとき、三角形ADEと三角形ABCは相似になるからである。

例題で手順を確認しよう

実際に問題を解いてみよう。

例題:DE // BC で、AD = 3cm、DB = 5cm、AE = 6cm、BC = 12cm のとき、ECとDEの長さを求めよ。

1

ECを求める。性質①より、AD : DB = AE : EC である。

$$3 : 5 = 6 : \text{EC}$$
2

内項ないこうの積 = 外項がいこうの積を使って方程式を立てる。

$$\begin{aligned} 3 \times \text{EC} &= 5 \times 6 \\[6pt] 3 \times \text{EC} &= 30 \\[6pt] \text{EC} &= 10 \end{aligned}$$

よって、EC = 10cm

3

DEを求める。まずABを計算する。

$$\text{AB} = \text{AD} + \text{DB} = 3 + 5 = 8$$
4

性質③より、AD : AB = DE : BC である。

$$3 : 8 = \text{DE} : 12$$
5

方程式を解く。

$$\begin{aligned} 8 \times \text{DE} &= 3 \times 12 \\[6pt] 8 \times \text{DE} &= 36 \\[6pt] \text{DE} &= \frac{36}{8} = \frac{9}{2} = 4.5 \end{aligned}$$

よって、DE = 4.5cm

内項の積 = 外項の積とは、$a : b = c : d$ のとき $ad = bc$ が成り立つという比の性質である。これを使うと、未知数を含む比から方程式を作ることができる。

よくある間違いと対策

1

比の順序を間違える

AD : DB = EC : AE としてしまうミス。左辺でADが「頂点に近い方」なら、右辺でもAEが「頂点に近い方」になる。対応する位置を揃えること。

2

全体と部分を混同する

AD : AB と書くべきところを AD : DB と書いてしまう。AB = AD + DB であることを確認してから式を立てよう。

3

平行でない場合に使ってしまう

この性質は平行線があるときだけ成り立つ。問題文に「// 」や「平行」があるか必ず確認すること。

この単元のよくある質問

Q. 比の順序はどう決めればいいですか?

A. 頂点Aから見て「近い方:遠い方」または「部分:全体」というように、両辺で同じルールを使えば間違えません。AD : DB なら AE : EC、AD : AB なら AE : AC という対応になります。

Q. どの性質を使えばいいかわかりません

A. まず「何がわかっていて、何を求めたいか」を確認しましょう。求めたい線分を含む比を見つければ、その性質を使います。例えば EC を求めたいなら、EC が含まれる「AD : DB = AE : EC」を使います。

Q. なぜ平行だとこの性質が成り立つのですか?

A. 平行線があると、三角形ADEと三角形ABCが相似になります。相似な図形では対応する辺の比がすべて等しくなるため、これらの性質が成り立つのです。相似については別の記事で詳しく学習できます。

練習問題

問1. 三角形ABCで、DE // BC、AD = 4cm、DB = 6cm、AE = 5cm のとき、ECの長さを求めよ。
問2. 三角形ABCで、DE // BC、AD = 3cm、AB = 9cm、BC = 15cm のとき、DEの長さを求めよ。
問3. 三角形ABCで、DE // BC、AD : DB = 2 : 3、AC = 10cm のとき、AEの長さを求めよ。

まとめ

この記事では、平行線と線分の比について学んだ。ポイントは以下の通りである。

  • 平行線が2辺を切るとき、分けられた線分の比は等しくなる(AD : DB = AE : EC)
  • 部分と全体の比も等しくなる(AD : AB = AE : AC)
  • 平行線の長さの比も等しくなる(AD : AB = DE : BC)
  • 比を立てるときは、対応する位置(近い方同士、遠い方同士)を揃えることが大切

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