「相似条件は覚えたのに、証明問題になると何を書けばいいかわからない」——これは相似を習った中学生の9割が通る道である。
問題を見ても、どの条件を使えばいいのか迷う。書き始めても、途中で何を示せばいいのか見失う。そんな経験をしたことはないだろうか。
実は、相似の証明には決まった「型」がある。この型を身につければ、どんな問題でも同じ手順で解けるようになる。この記事では、相似の証明の書き方を、最初の一文字から最後の結論まで、順を追って解説する。
そもそも相似とは?
相似とは、形は同じで大きさだけが異なる2つの図形の関係である。
相似な図形では、対応する角の大きさがすべて等しく、対応する辺の長さの比がすべて等しい。拡大コピーや縮小コピーをイメージするとわかりやすい。
例えば、下の2つの三角形を見てみよう。
$\triangle ABC$ と $\triangle DEF$ は形が同じで、$\triangle DEF$ の方が大きい。このとき「$\triangle ABC$ と $\triangle DEF$ は相似である」といい、$\triangle ABC \sim \triangle DEF$ と書く。
相似条件を確認しよう
2つの三角形が相似であることを証明するには、次の3つの条件のどれか1つを示せばよい。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 3組の辺の比 | 3組の辺の比がすべて等しい |
| 2組の辺の比と間の角 | 2組の辺の比が等しく、その間の角が等しい |
| 2組の角 | 2組の角がそれぞれ等しい |
実際の証明問題で最もよく使うのは「2組の角がそれぞれ等しい」である。角度を見つけるだけで証明できるため、辺の長さを測る必要がない。
相似の証明を図で理解する
相似の証明では、2つの三角形のどの角とどの角が対応しているかを見抜くことが大切である。
次のアニメーションで、対応する角を確認してみよう。
このように、同じ色で示した角が対応している。2組の角が等しいことを示せば、相似であることが証明できる。
相似の証明の書き方
相似の証明には決まった「型」がある。次の手順に従えば、迷わず書ける。
比べる三角形を宣言する
「$\triangle ○○○$ と $\triangle △△△$ において」と書く。
等しい角(または辺の比)を書き出す
「$\angle ○ = \angle △$」のように、根拠とともに書く。
使った相似条件を明記する
「2組の角がそれぞれ等しいから」のように書く。
結論を書く
「$\triangle ○○○ \sim \triangle △△△$」と書く。
例題で練習しよう
次の問題を一緒に解いてみよう。
【解答】
$\triangle BDE$ と $\triangle BAC$ において
まず、比べる2つの三角形を宣言する。頂点の順番に注意すること。
点Bは両方の三角形に含まれているので、この角は共通である。
平行線の同位角は等しい、という性質を使う。これが根拠になる。
2組の角がそれぞれ等しいから
証明を書くときのコツ
証明を書くときに意識すべきポイントをまとめる。
頂点の対応を揃える
$\triangle BDE \sim \triangle BAC$ と書くとき、B→B、D→A、E→C が対応している。この順番を間違えると減点される。
根拠を必ず書く
「共通」「対頂角」「平行線の同位角」など、なぜ等しいのかを明記する。
使った相似条件を書く
どの条件を使ったか忘れずに書く。これがないと証明として不完全になる。
よくある質問と答え
Q. 「2組の角がそれぞれ等しい」だけで相似が言えるのはなぜですか?
A. 三角形の内角の和は180°なので、2つの角が決まれば残り1つの角も自動的に決まる。つまり、2組の角が等しければ、3組すべての角が等しくなる。角がすべて等しい三角形は必ず相似になるので、2組だけ示せば十分である。
Q. 頂点の順番を間違えるとどうなりますか?
A. 例えば $\triangle BDE \sim \triangle ABC$ と書くと、B→A、D→B、E→C という対応になり、実際の対応と異なってしまう。これは証明として誤りになり、減点対象となる。図を見ながら、対応する頂点を確認してから書くこと。
Q. 「共通な角」はどうやって見つけますか?
A. 2つの三角形が頂点を共有している場合、その頂点における角は共通である。例えば、大きな三角形の中に小さな三角形があるとき、共通の頂点を探すとよい。
よくある間違いと対策
頂点の順番がバラバラ
間違い:$\triangle BDE \sim \triangle CAB$
対策:対応する頂点を図に書き込んでから、順番に書く。
根拠を書かない
間違い:$\angle BDE = \angle BAC$(理由なし)
対策:必ず「(〜だから)」と根拠をカッコ内に書く。
相似条件を書き忘れる
間違い:角を2つ示しただけで結論を書く
対策:「〜から」という接続詞を入れて、使った条件を明記する。
練習問題
まとめ
この記事では、相似の証明の書き方について学んだ。ポイントは以下の通りである。
- 相似の証明は「宣言→角(辺)の関係→条件→結論」の型で書く
- 頂点の対応を揃えて書くことが重要である
- 等しい角には必ず根拠(共通、対頂角、平行線の同位角など)を書く
- 使った相似条件を忘れずに明記する
Core-dorill— 基礎を、何度でも。

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