「平行四辺形の問題は図を見てもどこが等しいのかわからない」と感じていないだろうか。
証明問題で「対辺が等しい」「対角が等しい」と書いたものの、なぜそう言えるのか自信が持てない。そんな経験はないだろうか。
実は、平行四辺形には覚えるべき性質が3つしかない。この記事では、その3つの性質を図解とアニメーションで確実に理解できるように解説する。
そもそも平行四辺形とは?
平行四辺形とは、2組の向かい合う辺がそれぞれ平行な四角形のことである。
「2組の向かい合う辺」とは、上の辺と下の辺、左の辺と右の辺のように、対になっている辺のことである。
例えば、四角形ABCDにおいて、
- 辺ABと辺DCが平行
- 辺ADと辺BCが平行
であれば、四角形ABCDは平行四辺形である。
記号 $\parallel$ は「平行である」という意味である。
平行四辺形の3つの性質
平行四辺形には、以下の3つの性質がある。これらは定義から証明できる重要な性質である。
| 性質 | 内容 |
|---|---|
| 性質① | 2組の対辺はそれぞれ等しい |
| 性質② | 2組の対角はそれぞれ等しい |
| 性質③ | 対角線はそれぞれの中点で交わる |
対辺とは向かい合う辺、対角とは向かい合う角のことである。対角線とは、向かい合う頂点を結ぶ線のことである。
性質①:対辺が等しい
平行四辺形では、向かい合う辺の長さがそれぞれ等しい。
赤色で示したABとDCが等しく、緑色で示したADとBCが等しい。同じマーク(1本線、2本線)は長さが等しいことを表している。
性質②:対角が等しい
平行四辺形では、向かい合う角の大きさがそれぞれ等しい。
赤色で示した∠Aと∠Cが等しく、青色で示した∠Bと∠Dが等しい。
また、隣り合う角を足すと180°になる。例えば $\angle A + \angle B = 180°$ である。これは平行線の同側内角の性質から導ける。
性質③:対角線がそれぞれの中点で交わる
平行四辺形の2本の対角線は、それぞれの中点で交わる。つまり、交点で2等分される。
Oは対角線ACとBDの交点である。
対角線ACとBDは点Oで交わり、OはそれぞれのACとBDの中点になっている。
3つの性質を図で確認しよう
ここまでの3つの性質を1つの図にまとめて確認しよう。
性質の使い方:例題
平行四辺形の性質を使って、辺の長さや角の大きさを求めてみよう。
平行四辺形ABCDにおいて、AB = 8cm、AD = 5cm、∠A = 70°のとき、DC、BC、∠Cの値を求めよ。
解き方
性質①「対辺が等しい」を使う。
性質②「対角が等しい」を使う。
このように、平行四辺形の性質を使えば、わかっている辺や角から、対辺や対角の値がすぐにわかる。
よくある質問と答え
Q. 平行四辺形と長方形・ひし形・正方形の違いは?
A. 長方形は「すべての角が90°の平行四辺形」、ひし形は「すべての辺が等しい平行四辺形」、正方形は「長方形かつひし形」である。どれも平行四辺形の特別な形なので、平行四辺形の3つの性質はすべて成り立つ。
Q. 対角線が中点で交わるとはどういうこと?
A. 対角線ACとBDの交点をOとすると、AO = CO(ACの中点がO)かつBO = DO(BDの中点がO)ということである。つまり、2本の対角線が互いに相手を2等分する。
Q. 隣り合う角を足すと180°になるのはなぜ?
A. 平行線の同側内角の和は180°になる性質による。例えば、AD // BCのとき、∠Aと∠Bは同側内角なので∠A + ∠B = 180°となる。
練習問題
まとめ
この記事では、平行四辺形の3つの性質について学んだ。ポイントは以下の通りである。
- 性質①:2組の対辺はそれぞれ等しい(AB = DC、AD = BC)
- 性質②:2組の対角はそれぞれ等しい(∠A = ∠C、∠B = ∠D)
- 性質③:対角線はそれぞれの中点で交わる(AO = CO、BO = DO)
これらの性質は、平行四辺形の証明問題や辺・角を求める問題で必ず使う。3つの性質を確実に覚えておこう。
Core-dorill— 基礎を、何度でも。

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