「図形を回す」と言われても、どこを中心にどれだけ回すのか、さっぱりわからない。そんな経験はないだろうか。
回転移動でつまずく人の多くは、「回転の中心」と「回転角」という2つの要素を同時に考えようとして混乱している。実は、この2つを順番に確認するだけで、どんな回転移動も正確に作図できるようになる。
この記事では、回転移動の仕組みを図解とアニメーションで視覚的に理解し、作図の手順を身につけるところまで解説する。
そもそも回転移動とは?
回転移動とは、ある点を中心にして、図形を一定の角度だけ回す移動のことである。
回転の中心とは、回転の軸となる点のことである。この点だけは動かず、他のすべての点がこの中心のまわりを円を描くように移動する。
回転角とは、図形が回転する角度のことである。時計回りを「負」、反時計回りを「正」とすることが多いが、問題文で指定されることもある。
例えば、点Oを中心に三角形を60°回転させると、三角形の各頂点は点Oからの距離を保ったまま、60°だけ移動する。
回転移動を図で理解する
まず、回転移動がどのような動きなのか、アニメーションで確認しよう。点Oを中心に三角形ABCを60°回転させる様子を見てほしい。
アニメーションを見ると、以下のことがわかる。
- 各頂点A, B, Cは、点Oを中心とする円弧上を移動する
- 点Oからの距離は、移動前も移動後も同じである
- ∠AOA’ = ∠BOB’ = ∠COC’ = 60°(すべて同じ回転角)
回転移動の性質
回転移動には、重要な性質が3つある。これを理解しておくと、作図や問題を解くときに役立つ。
中心からの距離が等しい
回転の中心Oと、移動前の点P、移動後の点P’について、
つまり、すべての点は中心Oからの距離を保ったまま移動する。
回転角が等しい
どの点についても、回転の中心Oに対する回転角は同じである。
図形の形・大きさは変わらない
回転移動は「合同な図形」を作る移動である。辺の長さも角の大きさも変わらない。
回転移動の作図手順
点Oを中心に、点Pを角度θだけ回転させた点P’を作図する手順を説明する。
回転の中心Oと点Pを結ぶ半直線OPを引く。
コンパスで、中心O、半径OPの円(または円弧)をかく。
分度器を使って、半直線OPから回転角θだけ回転した方向に半直線を引く。
手順2でかいた円と、手順3の半直線の交点がP’である。
三角形などの図形を回転移動させるときは、すべての頂点について上記の手順を繰り返し、移動後の頂点を結べばよい。
例題:三角形の回転移動
次の例題を解いてみよう。
解答の手順:
点Oと各頂点A, B, Cを結ぶ。
OA, OB, OCを半径とする円弧を、それぞれ90°分だけかく。
各円弧の終点がA’, B’, C’である。
A’, B’, C’を結んで△A’B’C’を完成させる。
よくある質問と答え
Q. 時計回りと反時計回りはどう区別するのですか?
A. 問題文で「時計回りに○°」「反時計回りに○°」と指定されることが多い。指定がない場合は、反時計回りを正の向きとするのが一般的である。作図するときは、分度器で角度を測る向きを間違えないように注意しよう。
Q. 回転の中心はどこでもいいのですか?
A. 問題で指定される。中心が図形の内部にあることも、外部にあることもある。中心の位置によって、回転後の図形の位置が大きく変わるため、必ず問題文を確認すること。
Q. 180°回転移動と点対称の関係は?
A. ある点を中心に180°回転移動させることは、その点を対称の中心とする点対称移動と同じである。つまり、180°の回転移動 = 点対称移動である。
よくある間違いと対策
間違い:回転の向きを逆にしてしまう
対策:問題文をよく読み、「時計回り」か「反時計回り」かを確認する。図に矢印で回転の向きを書き込んでから作図を始めるとよい。
間違い:中心からの距離が変わってしまう
対策:コンパスの開きを変えないように注意する。回転移動では、中心Oからの距離は絶対に変わらない。
間違い:頂点ごとに違う角度で回転させてしまう
対策:すべての頂点を同じ回転角で移動させる。分度器を使うときは、毎回同じ角度を測り取ること。
練習問題
回転移動では、回転の中心から各点までの( ア )は変わらず、すべての点が同じ( イ )だけ回転する。
まとめ
この記事では、回転移動について学んだ。ポイントは以下の通りである。
- 回転移動は、ある点を中心にして図形を一定の角度だけ回す移動である
- 中心からの距離は変わらず、すべての点が同じ回転角だけ移動する
- 作図は「中心と点を結ぶ→円弧をかく→回転角を測る→交点を求める」の手順で行う
- 180°の回転移動は点対称移動と同じである
Core-dorill— 基礎を、何度でも。

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