反比例の問題で「歯車」「てこ」「人数と時間」が出てきた瞬間、頭が真っ白になっていないだろうか。
「比例は得意なのに、反比例になると式が立てられない」「なぜ掛け算になるのかわからない」——そんな声をよく聞く。実は、反比例の応用問題でつまずく人の多くは、問題文のどこに反比例が隠れているかを見抜けていないだけである。
この記事では、歯車・てこ・人数と時間という3つの典型パターンを、図解とアニメーションで順を追って解説する。読み終わる頃には「あ、これも反比例だ」と見抜けるようになる。
反比例の応用問題とは?
反比例とは、一方が2倍、3倍になると、もう一方が $\dfrac{1}{2}$ 倍、$\dfrac{1}{3}$ 倍になる関係のことである。式で書くと $xy = k$($k$ は定数)となる。
定数とは、変わらない決まった数のことである。反比例では「2つの量の積が常に一定」という性質が重要である。
この記事で扱う3つのパターンは、すべて「積が一定」という反比例の性質で解ける。
| パターン | 反比例の関係 | 積が一定になる理由 |
|---|---|---|
| 歯車 | 歯数 × 回転数 = 一定 | かみ合った歯の総数が同じ |
| てこ | おもりの重さ × 支点からの距離 = 一定 | 回転させる力が釣り合う |
| 人数と時間 | 人数 × 時間 = 一定 | 仕事の総量が同じ |
パターン1:歯車の問題
歯車の反比例のしくみ
2つの歯車がかみ合って回転するとき、次の関係が成り立つ。
なぜ積が等しくなるのか。歯車Aが1回転すると、Aの歯数と同じだけの歯がBに伝わる。Bは受け取った歯の数だけ回転するので、「歯数 × 回転数」は両方で等しくなる。
例題1:歯車の回転数
解き方
答え:4回転
歯数が少ない方が多く回転する。これは反比例の「一方が大きいと他方が小さい」という性質そのものである。
パターン2:てこの問題
てこの反比例のしくみ
てこが釣り合うとき、次の関係が成り立つ。
この積のことを「モーメント」という。回転させようとする力の大きさを表す。左右のモーメントが等しいとき、てこは釣り合う。
例題2:てこの釣り合い
解き方
答え:60g
距離が遠いほど、軽いおもりで釣り合う。これも反比例の性質である。
パターン3:人数と時間の問題
人数と時間の反比例のしくみ
ある仕事をするとき、次の関係が成り立つ。
仕事の総量が同じなら、人数と時間は反比例の関係になる。
例題3:人数と時間
解き方
答え:10日
3パターンの解法まとめ
どのパターンも、解き方は同じ3ステップである。
| パターン | 積が一定になる式 |
|---|---|
| 歯車 | 歯数A × 回転数A = 歯数B × 回転数B |
| てこ | 重さ左 × 距離左 = 重さ右 × 距離右 |
| 人数と時間 | 人数 × 時間 = 仕事の総量(一定) |
よくある間違いと対策
反比例は「積が一定」である。足し算や引き算ではなく、必ず掛け算の式を立てる。
「片方が増えると、もう片方が減る」ペアを探す。歯数が増えると回転数は減る。人数が増えると時間は減る。
距離がcmとmで混在していたら、どちらかに統一してから計算する。
この単元のよくある質問
Q. 歯車の問題で、歯数が書いていないときはどうすればいい?
A. 歯数の代わりに「歯車の直径」や「半径」が与えられることがある。その場合、直径(または半径)と回転数の積が一定になる。歯数と直径は比例するので、同じように解ける。
Q. てこの問題で「支点」「力点」「作用点」が出てきたら?
A. 支点はてこを支える点、力点は力を加える点、作用点は物を持ち上げる点である。釣り合いの計算では、支点からの距離を使う。力点や作用点の位置が支点から何cmかを読み取ろう。
Q. 「仕事量」という言葉が問題文にないときも、人数×時間でいいの?
A. 「同じ作業を」「全部で」などの表現があれば、仕事の総量は一定と考えてよい。ただし「1人あたりの作業量が違う」と書いてあれば、単純な反比例ではないので注意する。
練習問題
まとめ
この記事では、反比例の応用問題として「歯車」「てこ」「人数と時間」の3パターンを学んだ。ポイントは以下の通りである。
- 3パターンすべて「積が一定」という反比例の性質で解ける
- 歯車は「歯数 × 回転数」、てこは「重さ × 距離」、仕事は「人数 × 時間」
- 求めたい量を $x$ とおき、積が等しい式を立てて解く
Core-dorill— 基礎を、何度でも。

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