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【比例】動点と面積の問題【中1数学】【応用】

「点が動くと面積はどう変わるのか」——この問いに答えられずに固まってしまう人は多い。

動点の問題では、時間や距離と面積の関係を式で表す必要がある。しかし、何を変数にすればよいのか、どこから手をつければよいのかがわからず、手が止まってしまう。

実は、動点問題は「変わるもの」と「変わらないもの」を見分けるだけで、驚くほどスッキリ整理できる。この記事では、比例を使った動点と面積の問題を、図解とステップ形式で順を追って解説する。

対象:中学1年 所要時間:約12分
目次

そもそも動点問題とは?

動点問題とは、図形の辺の上を点が動くとき、それにともなって変化する量(面積や長さなど)を求める問題である。

動点どうてんとは、「動く点」のことである。問題文では「点Pが毎秒1cmの速さで動く」のように表現される。

例えば、次のような問題が典型的である。

「長方形ABCDの辺AB上を点Pが毎秒2cmの速さで動く。このとき、三角形APDの面積 $y$ を、点Pが動いた時間 $x$ 秒を使って表せ。」

この問題では、時間 $x$ が増えると点Pの位置が変わり、それに応じて面積 $y$ も変わる。この「$x$ が変わると $y$ も変わる」という関係を式で表すのが目標である。

動点問題の考え方を図で理解する

動点問題では、次の3つを順番に確認することが大切である。

1何が変わるか:点の位置、辺の長さ、面積など
2何が変わらないか:底辺や高さのどちらか、図形の形など
3変わるものを文字で表す:$x$ 秒後の長さを式にする

以下のアニメーションで、点Pが動くと三角形の面積がどう変わるかを確認しよう。

アニメーションを見ると、次のことがわかる。

  • 点Pが右に動くと、APの長さが長くなる
  • 三角形APDの底辺ていへんをAPとすると、高さADは一定(変わらない)
  • したがって、面積は「底辺の長さに比例する」

動点問題の解き方手順

ここでは、具体的な例題を使って解き方を確認しよう。

例題:長方形ABCDがあり、AB = 12cm、AD = 8cm である。点Pは頂点Aを出発し、辺AB上を毎秒2cmの速さでBに向かって動く。点Pが出発してから $x$ 秒後の三角形APDの面積を $y$ cm²とするとき、$y$ を $x$ の式で表せ。

1 動く長さを式で表す

点Pは毎秒2cm動くので、$x$ 秒後には

$$\text{AP} = 2x \text{ (cm)}$$
2 変わらない長さを確認する

三角形APDの高さはADであり、これは長方形の辺なので一定である。

$$\text{AD} = 8 \text{ (cm)}$$
3 面積の公式に代入する

三角形の面積 = 底辺 × 高さ ÷ 2 なので

$$\begin{aligned} y &= \text{AP} \times \text{AD} \div 2 \\[8pt] y &= 2x \times 8 \div 2 \\[8pt] y &= \frac{16x}{2} \\[8pt] y &= 8x \end{aligned}$$
4 変域を確認する

点PはAからBまで動く。AB = 12cm、毎秒2cmなので

$$0 \leq x \leq 6$$

変域へんいきとは、変数 $x$ がとりうる値の範囲のことである。ここでは、0秒から6秒までが範囲となる。

答え:$y = 8x$($0 \leq x \leq 6$)

比例であることを確認する

今求めた式 $y = 8x$ は、$y = ax$ の形をしているので、$y$ は $x$ に比例ひれいしている。

比例の式 $y = ax$ において、$a$ を比例定数ひれいていすうという。この例題では $a = 8$ である。

この比例定数 $a = 8$ は何を表しているだろうか。

$x$ が1増えると(つまり1秒経つと)、面積 $y$ は8cm²増える。これは「1秒あたりの面積の増え方」を表している。

グラフを見ると、原点を通る直線になっている。これが比例のグラフの特徴である。

よくある間違いと対策

1 「毎秒○cm」と「○秒後の長さ」を混同する

「毎秒2cm」は速さであり、長さではない。$x$ 秒後の長さは「速さ × 時間」で求める。

NG:AP = 2cm → OK:AP = 2x cm

2 変域を書き忘れる

点Pは無限に動けるわけではない。問題の図形の範囲内でしか動けないので、$x$ の範囲(変域)を必ず書く。

3 底辺と高さを逆にする

三角形の面積を求めるとき、底辺と高さは垂直(90°)でなければならない。長方形内の三角形では、辺の向きに注意する。

この単元のよくある質問

Q. 底辺と高さのどちらを $x$ の式で表せばよいですか?

A. 動点Pによって長さが変わる方を $x$ の式で表す。変わらない方は問題文の数値をそのまま使う。例えば、点Pが辺AB上を動くなら、APやBPの長さが変わるので、これらを $x$ を使って表す。

Q. なぜ面積の式が比例になるのですか?

A. 三角形の面積は「底辺 × 高さ ÷ 2」で求める。高さが一定のとき、面積は底辺の長さだけで決まる。底辺の長さが $x$ に比例するので、面積も $x$ に比例する。一般に、$y = (\text{定数}) \times x$ の形なら $y$ は $x$ に比例する。

Q. 変域はいつも書かなければいけませんか?

A. 動点問題では必ず書く。点が動ける範囲は限られているので、$x$ がとりうる値にも範囲がある。変域を書かないと、実際にはありえない状況も含んでしまうため、正確な答えとは言えない。

練習問題

問1. 長方形ABCDがあり、AB = 10cm、AD = 6cm である。点Pは頂点Aを出発し、辺AB上を毎秒1cmの速さでBに向かって動く。点Pが出発してから $x$ 秒後の三角形APDの面積を $y$ cm²とするとき、$y$ を $x$ の式で表せ。また、$x$ の変域を求めよ。
問2. 正方形ABCDがあり、1辺の長さは8cmである。点Pは頂点Aを出発し、辺AB上を毎秒2cmの速さでBに向かって動く。点Pが出発してから $x$ 秒後の三角形APDの面積を $y$ cm²とするとき、次の問いに答えよ。

(1) $y$ を $x$ の式で表せ。

(2) 三角形APDの面積が16cm²になるのは、出発してから何秒後か。

問3. 直角三角形ABCがあり、∠B = 90°、AB = 9cm、BC = 12cm である。点Pは頂点Bを出発し、辺BC上を毎秒3cmの速さでCに向かって動く。点Pが出発してから $x$ 秒後の三角形ABPの面積を $y$ cm²とするとき、$y$ を $x$ の式で表せ。また、$x$ の変域を求めよ。

まとめ

この記事では、比例を使った動点と面積の問題について学んだ。ポイントは以下の通りである。

  • 動点問題では「変わるもの」と「変わらないもの」を見分ける
  • 「毎秒○cm」と「○秒後の長さ」を区別する(長さ = 速さ × 時間)
  • 面積の公式に代入して $y = ax$ の形に整理する
  • 変域($x$ の範囲)を必ず書く

動点問題は一見複雑に見えるが、手順通りに進めれば確実に解ける。まずは基本の形に慣れることから始めよう。

Core-dorill— 基礎を、何度でも。

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