「比例の式 $y=ax$ を習ったけれど、$a$ って何なのか、いまいちピンとこない」と感じていないだろうか。
公式は覚えたのに、「比例定数を求めよ」と言われると手が止まる。グラフを見ても、どこを見ればいいかわからない。そんな声をよく聞く。
実は、$a$ の正体を「$x$ が1増えたとき、$y$ がいくつ増えるか」とイメージできれば、比例の問題は一気に解きやすくなる。この記事では、比例定数 $a$ の意味を図解とアニメーションで徹底的に理解し、式を自在に使いこなせるようになるまで順を追って解説する。
そもそも比例とは?
まず、比例という言葉の意味を確認しよう。
比例とは、「一方が2倍、3倍になると、もう一方も2倍、3倍になる」という関係のことである。
具体例で考えよう。1個80円のりんごを買うとき、代金を $y$ 円、個数を $x$ 個とすると、次のようになる。
| 個数 $x$(個) | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
|---|---|---|---|---|---|
| 代金 $y$(円) | 80 | 160 | 240 | 320 | 400 |
個数が2倍になると代金も2倍、個数が3倍になると代金も3倍になっている。これが比例の関係である。
この表をよく見ると、どの列でも「$y \div x = 80$」になっていることに気づくだろうか。
この「常に一定の値」が、比例の式の鍵となる。
比例の式 $y=ax$ の意味
比例の関係は、次の式で表すことができる。
ここで $a$ のことを比例定数という。
比例定数とは、$x$ と $y$ の間にある「決まった割合」のことである。$y$ を $x$ で割った値、つまり $a = \dfrac{y}{x}$ で求められる。
先ほどのりんごの例では、$a = 80$ となる。つまり、
と表せる。この式は「個数 $x$ に80をかけると代金 $y$ になる」という意味である。
比例定数 $a$ の3つの見方
比例定数 $a$ には、次の3つの意味がある。どれも同じことを別の角度から見ているだけである。
$y = ax$ に $x = 1$ を代入すると $y = a$ となる。つまり、$a$ は「$x$ が1のときの $y$ の値」である。
$x$ が1から2になると、$y$ は $a$ から $2a$ になる。増えた量は $2a – a = a$ である。$x$ が1増えるごとに、$y$ は $a$ ずつ増える。
$y = ax$ の両辺を $x$ で割ると $\dfrac{y}{x} = a$ となる。$a$ は「$y$ を $x$ で割った値」で、どの点でも一定である。
比例定数を図で理解する
比例定数 $a$ の意味を、グラフで視覚的に確認しよう。
アニメーションを再生すると、次のことがわかる。
- 点 $(1, 1)$ と点 $(2, 2)$ を通るグラフである
- $x$ が1増えると、$y$ も1増えている
- この「1増える」という値が、比例定数 $a = 1$ に対応している
$y = ax$ のグラフは、必ず原点 $(0, 0)$ を通る直線になる。比例定数 $a$ が大きいほど、グラフは急になる。
比例定数の求め方
比例定数 $a$ を求める方法を、具体的な手順で確認しよう。
座標から求める方法
$y$ が $x$ に比例していて、$x = 3$ のとき $y = 12$ であるとき、比例定数 $a$ を求めてみよう。
$y = ax$
$12 = a \times 3$
$a = \dfrac{12}{3} = 4$
したがって、比例定数は $a = 4$ であり、比例の式は $y = 4x$ となる。
計算過程を丁寧に確認
上の計算を式変形で追ってみよう。
公式としてまとめると
この公式を覚えておけば、座標 $(x, y)$ がわかればすぐに比例定数を求められる。
比例定数が負の場合
比例定数 $a$ は、正の数だけでなく負の数の場合もある。
例えば、$y = -2x$ のグラフを考えよう。
| $x$ | 1 | 2 | 3 |
|---|---|---|---|
| $y$ | $-2$ | $-4$ | $-6$ |
$x$ が増えると $y$ は減っている。これは $a < 0$ のときの特徴である。
アニメーションから、次のことがわかる。
- $a > 0$ のとき、グラフは右上がり($x$ が増えると $y$ も増える)
- $a < 0$ のとき、グラフは右下がり($x$ が増えると $y$ は減る)
- $|a|$ が大きいほど、グラフは急になる
よくある間違いと対策
比例定数を求めるとき、よくある間違いを3つ紹介する。
間違い:$a = \dfrac{x}{y}$ と計算してしまう
対策:「$y$ を $x$ で割る」と声に出して確認する。$a = \dfrac{y}{x}$ である。
間違い:$(0, 0)$ を通らない直線を比例と考えてしまう
対策:比例のグラフは必ず原点を通る。通らない場合は一次関数 $y = ax + b$ である。
間違い:$y = -6$, $x = 2$ のとき $a = 3$ としてしまう
対策:$a = \dfrac{-6}{2} = -3$ と、符号を含めて計算する。
よくある質問と答え
Q. 比例定数が0になることはありますか?
A. $a = 0$ の場合、$y = 0 \times x = 0$ となり、$x$ がどんな値でも $y$ は常に0である。これは比例の関係とは言わず、「$y$ は $x$ に比例しない」と判断する。
Q. 比例定数は必ず整数ですか?
A. いいえ、比例定数は分数や小数になることもある。例えば、$x = 4$ のとき $y = 3$ なら、$a = \dfrac{3}{4}$ である。
Q. グラフから比例定数を読み取るにはどうすればいいですか?
A. グラフ上の点の座標を読み取り、$a = \dfrac{y}{x}$ で計算する。特に $x = 1$ の点を読み取ると、その $y$ 座標がそのまま比例定数になる。
練習問題
まとめ
この記事では、比例の式 $y = ax$ と比例定数 $a$ の意味について学んだ。ポイントは以下の通りである。
- 比例とは、一方が2倍、3倍になるともう一方も2倍、3倍になる関係
- 比例定数 $a$ は、$x$ が1のときの $y$ の値であり、$a = \dfrac{y}{x}$ で求められる
- $a > 0$ なら右上がり、$a < 0$ なら右下がりのグラフになる
- 比例のグラフは必ず原点を通る
Core-dorill— 基礎を、何度でも。

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