「等しい」や「以上」「未満」といった関係を、どうやって式で表せばいいのか困っていないだろうか。
安心してほしい。実は、使う記号はたった数種類だけである。
この記事を読めば、言葉で書かれた関係を正しく式に変換できるようになる。
そもそも等式・不等式とは?
等式とは、「左辺と右辺が等しい」という関係を表す式のことである。
「左辺」とは $=$ の左側、「右辺」とは $=$ の右側のことである。
例えば「$x$ に $3$ を足すと $10$ になる」は、次のように書ける。
一方、不等式とは、「大きい・小さい」や「以上・以下」といった大小関係を表す式のことである。
例えば「$x$ は $5$ より大きい」は、次のように書ける。
等式と不等式の記号を覚えよう
まずは記号の意味を整理しておこう。
| 記号 | 読み方 | 意味 | 例 |
|---|---|---|---|
| $=$ | イコール | 等しい | $x = 5$ |
| $>$ | 大なり | より大きい | $x > 5$($x$ は $5$ より大きい) |
| $<$ | 小なり | より小さい | $x < 5$($x$ は $5$ より小さい) |
| $\geq$ | 大なりイコール | 以上 | $x \geq 5$($x$ は $5$ 以上) |
| $\leq$ | 小なりイコール | 以下 | $x \leq 5$($x$ は $5$ 以下) |
「$5$ より大きい」と「$5$ 以上」は違う意味である。「$5$ より大きい」には $5$ は含まれないが、「$5$ 以上」には $5$ が含まれる。
記号の向きを図で理解する
$>$ と $<$ の向きで混乱する人は多い。次の図で確認しよう。
ポイントは2つある。
- 記号の開いている方が大きい値を指す($>$ なら左が大きい)
- 「より大きい/小さい」は境界を含まない(白丸で表す)
- 「以上/以下」は境界を含む(黒丸で表す)
言葉から式への変換手順
言葉で書かれた関係を式に直すには、次の手順で考える。
何を文字で置くか決める
問題文に「$x$ を使って」などの指示があればそれに従う。なければ自分で決めてよい。
左辺と右辺を分ける
「〜は〜に等しい」「〜は〜より大きい」の「は」の前が左辺、後が右辺になることが多い。
適切な記号を選ぶ
「等しい」なら $=$、「より大きい」なら $>$、「以下」なら $\leq$ を使う。
例題で確認しよう
例題1:等式
問題:「$x$ の $3$ 倍から $2$ を引くと $7$ になる」を等式で表せ。
文字は $x$ と指定されている。
「$x$ の $3$ 倍から $2$ を引いたもの」→ $3x – 2$(左辺)
「$7$ になる」→ $7$(右辺)
「〜になる」は「等しい」という意味なので、$=$ を使う。
答え:
例題2:不等式(より大きい)
問題:「$x$ に $5$ を足した値は $12$ より大きい」を不等式で表せ。
文字は $x$ と指定されている。
「$x$ に $5$ を足した値」→ $x + 5$(左辺)
「$12$ より大きい」→ $12$(右辺の基準)
「より大きい」なので $>$ を使う。左辺が右辺より大きい。
答え:
例題3:不等式(以下)
問題:「$1$ 個 $a$ 円のりんごを $6$ 個買うと、代金は $1000$ 円以下である」を不等式で表せ。
文字は $a$(りんご $1$ 個の値段)である。
「$a$ 円のりんごを $6$ 個買う代金」→ $6a$(左辺)
「$1000$ 円以下」→ $1000$(右辺の基準)
「以下」なので $\leq$ を使う。左辺は右辺以下。
答え:
よくある間違いと対策
「以上」と「より大きい」を混同する
「$5$ 以上」には $5$ が含まれる($\geq$)。「$5$ より大きい」には $5$ は含まれない($>$)。日本語の意味をしっかり区別しよう。
不等号の向きを逆にしてしまう
「$x$ は $5$ より大きい」は $x > 5$ である。$5 > x$ と書くと「$5$ が $x$ より大きい」という逆の意味になってしまう。
「未満」の記号を間違える
「$5$ 未満」は「$5$ より小さい」と同じ意味である。$x < 5$ と書く。$\leq$ ではない。
言葉と記号の対応表
迷ったときはこの表を見て確認しよう。
| 日本語表現 | 記号 | 境界を含むか |
|---|---|---|
| 〜に等しい、〜になる | $=$ | — |
| 〜より大きい | $>$ | 含まない |
| 〜より小さい、〜未満 | $<$ | 含まない |
| 〜以上 | $\geq$ | 含む |
| 〜以下 | $\leq$ | 含む |
よくある質問と答え
Q. 「$5$ 以上」と「$5$ より大きい」は何が違いますか?
A. 「$5$ 以上」には $5$ 自身が含まれますが、「$5$ より大きい」には $5$ は含まれません。例えば、$x \geq 5$ なら $x = 5$ も正しいですが、$x > 5$ なら $x = 5$ は正しくありません。
Q. 不等号の向きがどちらか分からなくなります。覚え方はありますか?
A. 不等号は「口が開いている方が大きい値」を指すと覚えましょう。例えば $>$ は左に口が開いているので、左側が大きいという意味です。
Q. 「未満」は「以下」と同じですか?
A. 違います。「$5$ 未満」は「$5$ より小さい」と同じ意味で、$5$ を含みません($x < 5$)。「$5$ 以下」は $5$ を含みます($x \leq 5$)。
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まとめ
この記事では等式と不等式について学んだ。ポイントは以下の通りである。
- 等式は「等しい」関係を $=$ で表す
- 不等式は大小関係を $>$、$<$、$\geq$、$\leq$ で表す
- 「以上・以下」は境界を含み、「より大きい・未満」は境界を含まない
- 不等号は「口が開いている方が大きい」と覚える
Core-dorill— 基礎を、何度でも。

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