「カッコがある式の計算って、どこから手をつければいいの?」と困っていないだろうか。
安心してほしい。カッコのある式は、分配法則という1つのルールを使えば、確実に解ける。
この記事を読めば、カッコを外して式を整理する手順が身につく。
そもそも分配法則とは?
分配法則とは、カッコの外の数を、カッコの中のすべての項にかけるというルールである。
項とは、足し算やひき算で区切られた数や文字のかたまりのことである。例えば $2x + 3$ には「$2x$」と「$3$」の2つの項がある。
具体的な数値で見てみよう。
これを計算する方法は2通りある。
方法1:先にカッコの中を計算する
方法2:分配法則を使う
どちらも答えは同じになる。これが分配法則である。
公式として書くと、次のようになる。
$a(b + c)$ は $a \times (b + c)$ と同じ意味である。文字式では「$\times$」を省略して書く。
分配法則を図で理解する
分配法則がなぜ成り立つのか、面積図で確認しよう。
左の長方形の面積は $a(b + c)$ である。
これを縦に分割すると、面積 $ab$ の長方形と面積 $ac$ の長方形に分かれる。
どちらも同じ図形を表しているから、$a(b + c) = ab + ac$ が成り立つ。
分配法則の手順
カッコのある式を計算するときの手順を確認しよう。
カッコの外の数(または文字)を確認する
カッコの直前にある数や文字が、これからかける数である。
カッコの中のすべての項にかける
1つ目の項にも、2つ目の項にも、同じ数をかける。
計算してカッコを外す
かけ算を実行して、カッコのない式にする。
例題で手順を確認する
例題1:数だけの場合
$4(x + 3)$ を展開せよ。
展開とは、分配法則を使ってカッコを外すことである。
カッコの外の $4$ を、$x$ と $3$ の両方にかけた。
例題2:ひき算の場合
$5(2a – 3)$ を展開せよ。
ひき算 $2a – 3$ は $2a + (-3)$ と考える。$-3$ にも $5$ をかけるので、結果は $-15$ になる。
例題3:負の数が外にある場合
$-3(x + 2)$ を展開せよ。
カッコの外が負の数のときは、符号に注意する。正の数にかけると負、負の数にかけると正になる。
例題4:カッコの前がマイナスだけの場合
$-(a + 5)$ を展開せよ。
カッコの前の $-$ は $-1$ と同じ意味である。
カッコの前がマイナスだけのときは、中の符号がすべて反転する。
カッコを外した後の計算
カッコを外した後、同類項があれば整理する。
同類項とは、文字の部分が同じ項のことである。例えば $3x$ と $5x$ は同類項だが、$3x$ と $3y$ は同類項ではない。
例題5:2つのカッコがある場合
$3(x + 2) + 2(x – 1)$ を計算せよ。
例題6:ひき算でカッコを外す場合
$4(a + 3) – 2(a – 1)$ を計算せよ。
$-2(a – 1)$ を展開すると、$-2 \times a = -2a$ と $-2 \times (-1) = +2$ になる。
よくある間違いと対策
1つの項にしかかけない
❌ $3(x + 2) = 3x + 2$
✅ $3(x + 2) = 3x + 6$
→ カッコの中のすべての項にかけることを忘れない
マイナスの処理を間違える
❌ $-2(x – 3) = -2x – 6$
✅ $-2(x – 3) = -2x + 6$
→ 負の数 × 負の数 = 正の数
カッコの前のマイナスを見落とす
❌ $5 – (a + 2) = 5 – a + 2$
✅ $5 – (a + 2) = 5 – a – 2 = 3 – a$
→ $-(a + 2)$ は $-1 \times (a + 2)$ と同じ
よくある質問と答え
Q. 分配法則はいつ使えばいいですか?
A. 式にカッコがあり、そのカッコの外に数や文字があるときに使う。「カッコを外したい」と思ったら分配法則の出番である。
Q. $3 + (x + 2)$ も分配法則を使いますか?
A. これは分配法則ではない。カッコの前が足し算なので、そのままカッコを外して $3 + x + 2 = x + 5$ となる。分配法則はカッコの前が「かけ算」のときに使う。
Q. 分配法則と展開の違いは何ですか?
A. 分配法則は「ルールの名前」で、展開は「作業の名前」である。分配法則というルールを使って、カッコを外す作業を展開と呼ぶ。
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まとめ
この記事では、分配法則を使ったカッコのある式の計算について学んだ。ポイントは以下の通りである。
- 分配法則:$a(b + c) = ab + ac$
- カッコの外の数を、中のすべての項にかける
- マイナスの符号に注意する(負×負=正)
- 展開した後は同類項をまとめる
理解できたら、あとは手を動かすだけである。
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