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【文字式】式の計算の利用(文字を使った証明)【中3数学】【応用】

「連続する2つの整数の和は奇数になることを証明せよ」——この手の問題を見た瞬間、何をどう書けばいいのか固まってしまう人は多い。

計算問題ならできるのに、証明になると手が止まる。途中で何を言いたいのかわからなくなる。そんな経験をしていないだろうか。

実は、文字式の証明には「型」がある。この型さえ覚えれば、どんな証明問題も同じ手順で解けるようになる。この記事では、その型を3ステップで完全マスターする。

対象:中学3年 所要時間:約12分
目次

そもそも「文字を使った証明」とは?

数学の証明しょうめいとは、「ある性質がいつでも成り立つこと」を筋道立てて説明することである。

証明しょうめいとは、「たまたま」ではなく「必ず」成り立つことを、誰もが納得できる形で示すことである。

例えば、「連続する2つの整数の和は奇数きすうになる」という性質を考えてみよう。

$$\begin{aligned} 1 + 2 &= 3 \quad (\text{奇数}) \\[8pt] 2 + 3 &= 5 \quad (\text{奇数}) \\[8pt] 10 + 11 &= 21 \quad (\text{奇数}) \end{aligned}$$

いくつ試しても奇数になる。しかし、これは証明ではない。すべての整数を試すことは不可能だからである。

ここで登場するのが文字式もじしきである。文字を使えば、「すべての整数」を一度に表すことができる。

証明の型を図で理解する

文字式の証明には、決まった「型」がある。この型を覚えれば、どんな問題でも同じ流れで解ける。

ステップ 0/3

整数の表し方をマスターする

証明のStep 1で最も重要なのは、「どう文字で表すか」である。ここを間違えると、正しい結論に辿り着けない。

倍数ばいすうの表し方

倍数とは、ある数の「○倍」になっている数のことである。例えば、6, 9, 12 は3の倍数である。

表したいもの文字での表し方具体例
2の倍数(偶数)$2n$$n=3$ のとき $2 \times 3 = 6$
3の倍数$3n$$n=4$ のとき $3 \times 4 = 12$
5の倍数$5n$$n=2$ のとき $5 \times 2 = 10$

ポイントは「$n$ を整数とする」と書くことである。$n$ がどんな整数でも、$2n$ は必ず偶数になる。

奇数の表し方

奇数は「偶数 + 1」または「偶数 − 1」と考えればよい。

$$\text{奇数} = 2n + 1 \quad \text{または} \quad 2n – 1$$

$n = 0, 1, 2, 3, \cdots$ を代入すると:

$$2n + 1 = 1, 3, 5, 7, \cdots$$

連続する整数の表し方

表したいもの文字での表し方
連続する2つの整数$n, \, n+1$
連続する3つの整数$n, \, n+1, \, n+2$
連続する2つの偶数$2n, \, 2n+2$
連続する2つの奇数$2n+1, \, 2n+3$

例題で型をマスターする

例題1:連続する2つの整数の和は奇数になる

Step 1

文字で表す

$n$ を整数とすると、連続する2つの整数は $n$ と $n + 1$ と表せる。

Step 2

計算する

2つの整数の和を計算する。

$$\begin{aligned} n + (n + 1) &= n + n + 1 \\[8pt] &= 2n + 1 \end{aligned}$$
Step 3

結論を述べる

$n$ は整数だから、$2n$ は偶数である。

よって、$2n + 1$ は奇数である。

したがって、連続する2つの整数の和は奇数である。

例題2:連続する3つの整数の和は3の倍数になる

Step 1

文字で表す

$n$ を整数とすると、連続する3つの整数は $n$、$n + 1$、$n + 2$ と表せる。

Step 2

計算する

$$\begin{aligned} n + (n + 1) + (n + 2) &= n + n + 1 + n + 2 \\[8pt] &= 3n + 3 \\[8pt] &= 3(n + 1) \end{aligned}$$

最後に共通因数 $3$ でくくるのがポイント。「$3 \times$(整数)」の形にする。

Step 3

結論を述べる

$n$ は整数だから、$n + 1$ も整数である。

よって、$3(n + 1)$ は3の倍数である。

したがって、連続する3つの整数の和は3の倍数である。

例題3:2つの奇数の和は偶数になる

Step 1

文字で表す

$m$、$n$ を整数とすると、2つの奇数は $2m + 1$ と $2n + 1$ と表せる。

2つの奇数が「異なる奇数」でもよいので、別々の文字 $m$、$n$ を使う。

Step 2

計算する

$$\begin{aligned} (2m + 1) + (2n + 1) &= 2m + 1 + 2n + 1 \\[8pt] &= 2m + 2n + 2 \\[8pt] &= 2(m + n + 1) \end{aligned}$$
Step 3

結論を述べる

$m$、$n$ は整数だから、$m + n + 1$ も整数である。

よって、$2(m + n + 1)$ は2の倍数、すなわち偶数である。

したがって、2つの奇数の和は偶数である。

証明の書き方を可視化する

実際の答案でどのように書くか、アニメーションで確認しよう。

よくある間違いと対策

間違い1

「$n$ を整数とする」を書き忘れる

文字を使う以上、「何を表す文字か」を宣言しなければならない。書き忘れると減点対象である。

答案の冒頭に「$n$ を整数とすると」と書く習慣をつけよう。

間違い2

最後の「くくり出し」を忘れる

「$3n + 3$」で終わらず、「$3(n + 1)$」の形にすること。「○の倍数」を示すには「$○ \times$(整数)」の形が必要である。

間違い3

結論を書かない

計算だけして終わる答案が多い。「したがって、〜は○○である」と、問題の主張を結論として明記すること。

この単元のよくある質問

Q. なぜ「nを整数とする」と書かなければいけないのですか?

A. 文字 n が「どんな数でもよい」のか「整数に限る」のかを明確にするためである。証明では「すべての整数について成り立つ」ことを示すので、n が整数であることを宣言する必要がある。この宣言がないと、n が小数や分数でもよいことになり、証明として不完全になる。

Q. 連続する整数をなぜ n, n+1 と表すのですか?n, n-1 ではだめですか?

A. n, n-1 でも問題ない。どちらで表しても「連続する2つの整数」を正しく表現できる。ただし、n, n+1 と表すほうが一般的で、計算もしやすいことが多い。慣れないうちは n, n+1 を使うことをおすすめする。

Q. 「2つの奇数」を同じ文字 n で表してはいけないのですか?

A. 同じ文字で表すと「同じ奇数」を表すことになってしまう。「2つの奇数」が異なる場合も含めるには、別々の文字 m, n を使う必要がある。もし問題文に「同じ奇数の和」と書いてあれば、同じ文字を使ってよい。

練習問題

問1. 連続する2つの偶数の和は、2の倍数であるが4の倍数ではないことを証明せよ。
問2. 連続する2つの奇数の積に1を加えると、4の倍数になることを証明せよ。
問3. 2けたの正の整数と、その十の位の数と一の位の数を入れかえた整数の和は、11の倍数になることを証明せよ。

まとめ

この記事では、文字式を使った証明の「型」を学んだ。ポイントは以下の通りである。

  • Step 1:「$n$ を整数とすると」から始め、求めたいものを文字で表す
  • Step 2:式を計算し、「$○ \times$(整数)」の形にくくり出す
  • Step 3:「〇〇は整数だから、〜は○の倍数である」と結論を述べる

この3ステップを繰り返し練習すれば、どんな証明問題も同じ流れで解けるようになる。

Core-dorill— 基礎を、何度でも。

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